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第26回東京国際映画祭が閉幕、女子中学生の青春を描いた「ウィ・アー・ザ・ベスト!」がグランプリを受賞!(2013.10.28)

第26回東京国際映画祭が10月25日(金)に閉幕し、ルーカス・ムーディソン監督によるスウェーデン映画「ウィ・アー・ザ・ベスト!」が東京サクラグランプリに輝いた。原作を描いた夫人のココさんと、映画にも出演していた娘さんを伴って登壇したムーディソン監督は「受賞できるなんて思ってもいなかったので、大変驚いています!今夜は原宿へ行ってオモチャでも買おうかと思っていたのですが、本当に嬉しいです。この映画は妻の子供時代を描いているので、彼女の青春時代に感謝したい!」と喜びを語った。

映画祭を振り返り、コンペティション部門の国際審査委員長を務めたチェン・カイコー氏は「最高賞には卓越した完成度を求めました。情熱と魅力に溢れ、本物の人間の絆を、イキイキとしたエネルギッシュな演技で描いた『ウィ・アー・ザ・ベスト!』に満場一致で決めました。約1週間、我々は一生懸命審査委員の任務にあたり、結果にも満足しています。映画祭も非常に上手く組織され、観客は情熱があり、スタッフも協力的で、楽しい滞在となりました。もっと若手の映画人の注目を集めてもいい映画祭だと思います。そうすれば、さらに沢山の優れた作品が集まってくると思います」と語り、最後に新しく覚えた日本語で締めくくりたいということで、「バイガエシ!」と言って喝采を浴びた。

セレモニー終了後には審査委員と受賞者による記者会見が行われ、審査委員を務めた寺島しのぶは「個人的には日本映画が評価されなかったことが残念です。今度は自分がコンペシテョンに選ばれるような作品に出たい。観客目線で鑑賞すると、『すばらしい!これだ!』という作品をあまり感じることができなかったのですが、1500本の応募作品から選ばれた15本ですから、1500本を選考で観た方たちに敬意を表したい」と語った。

日本映画スプラッシュで作品賞を受賞し、授賞式では感動のあまり言葉が出て来なかった「FORMA」の坂本あゆみ監督は「4年かけて本を完成させ、撮影は2年前に行ったのですが、途中で体調を壊し、6年越しの作品になりました。一つ言えるのは諦めなかったということです。周りの皆さんの協力で完成できました。上映前は、最初のカットで帰ってしまったり、途中で飽きてしまう人もいるんじゃないかと思っていたのですが、思ったよりも凄く褒めていただいて、むしろ不安で。全然面白くなかったと、今は言われたい気持ちです」と独特の表現で受賞の喜びを表した。

また、東京サクラグランプリを受賞した「ウィ・アー・ザ・ベスト!」のルーカス・ムーディソン監督は「ユーモアに溢れ、物事を深刻に扱いながらも同時に笑うことができた部分が評価されたのかもしれない。妻が描いた本は本として、映画は映画として考えていたので、本のコピーにならないように描きました。演じた子供たちの意思を尊重して自由に進めていきました。彼女たちの人生や経験を生かしてもらおうと、撮影は楽しんでもらって、いっぱいアドリブもしてもらいました」と演出方法について明かした。

今年の映画祭の動員数は、劇場動員が3万5139人(上映本数97本、総上映回数303回)、TIFFCOM及び共催/提携企画動員が20万5214人、グリーンカーペット・アリーナ等のイベント動員が5万6078人となった。各賞受賞結果は以下のとおり。

《コンペティション》
▽東京サクラグランプリ/東京都知事賞=「ウィ・アー・ザ・ベスト!」(ルーカス・ムーディソン監督)
▽審査員特別賞=「ルールを曲げろ」(べーナム・ベーザディ監督)
▽最優秀監督賞=ベネディクト・エルリングソン監督(「馬々と人間たち」)
▽最優秀女優賞=ユージン・ドミンゴ(「ある理髪師の物語」)
▽最優秀男優賞=ワン・ジンチュン(「オルドス警察日記」)
▽最優秀芸術貢献賞=「エンプティ・アワーズ」(アーロン・フェルナンデス監督)
▽観客賞=「レッド・ファミリー」(イ・ジュヒョン監督)

《アジアの未来》
▽作品賞=「今日から明日へ」(ヤン・フイロン監督)
▽スペシャル・メンション=「祖谷物語‐おくのひと‐」(蔦哲一朗監督)

《日本映画スプラッシュ》
▽作品賞=「FORMA」(坂本あゆみ監督)

公開情報 公式サイト:http://tiff.yahoo.co.jp/2013/jp/

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