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第27回東京国際映画祭が閉幕、実際にホームレスだった主演女優の人生を基にした「神さまなんかくそくらえ」がグランプリを受賞!(2014.11.03)

第27回東京国際映画祭が10月31日(金)に閉幕し、ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディの兄弟監督による米仏合作映画「神さまなんかくそくらえ」が東京グランプリと最優秀監督賞の2冠に輝いた。兄のジョシュアは「2つも受賞できるなんて!1年半前に主演のアリエルと出会ったことで、この作品が出来ました。何故か日本の皆さんに受け入れられるのではないかと感じていたので、本当に感謝しています」と語り、弟のベニーは「いろんな犠牲を払って、思いを込めて作った映画です。祖母の友人が、未来も過去も無い人たちがこんなに出て来るなんて!って言っていたのを思い出しました。あーなんか支離滅裂だ。ありがとうございました!」と喜びを表現した。

フェスティバル・ミューズを務めた中谷美紀は「豊かな9日間でした。映画漬けの日々で、こんなに幸せなことはありませんでした。同じ日本人としては宮沢りえさんが演じた、犯罪を起こして追いつめられていく主人公の姿が印象的だったのと、アゼルバイジャンのナバットさん。戦争映画なのに爆発シーンが無く、ナバットさんが村に一人になって追いつめられていく姿が心に残っています」とコメント。その言葉どおり、最優秀女優賞は宮沢りえが獲得し、宮沢は緊張の面持ちで「ちょっと震えています。おみくじで大吉を引いた時に『やったー』と思うのと同時に『引き締めなければ』と感じるのに似ています。半分にできるなら、吉田監督に最優秀演出賞としてあげたいです」と明かした。

クロージングセレモニー後に行われた審査委員と受賞者会見で吉田大八監督は「宮沢さんは本当に驚いていて、大きな喜びだったことは間違いありません。“宮沢りえの映画”というと語弊があるかもしれませんが、女優賞は欲しい賞だったので僕も嬉しいです」と語り、観客賞を受賞したことについても「この映画を観て『好きだ』と思ってくれた人がいたということで、共感されたというのは、すごい励みになりました」と11月15日の公開に向けて弾みがついた様子。

総評としてコンペティション部門の国際審査委員長を務めたジェームズ・ガン氏は「映画祭のスタッフ、ボランティア、審査員、みんな素晴らしく、とても良い体験をしました。審査委員というと一人くらい気が合わないヤツがいるものですが、今回の6人は意見の違いはあっても自分のエゴを通そうとする人がいませんでした。良い作品が沢山あって満場一致ではなかったのですが、一番インスピレーションを受け、映像、物語、演技のバランスが良い作品をグランプリに選びました」と明かした。

なお、今年の映画祭の劇場動員が4万4706人(上映本数200本)、TIFFCOM及び共催/提携企画動員が20万人、レッドカーペット・アリーナ等のイベント動員が約15万1000人となった。各賞受賞結果は以下のとおり。

《コンペティション》
▽東京グランプリ=「神様なんかくそくらえ」(ジョシュア・サフディ/ベニー・サフディ監督)
▽審査員特別賞=「ザ・レッスン/授業の代償」(クリスティナ・グロゼヴァ/ペタル・ヴァルチャノフ監督)
▽最優秀監督賞=ジョシュア・サフディ/ベニー・サフディ監督(「神様なんかくそくらえ」)
▽最優秀女優賞=宮沢りえ(「紙の月」)
▽最優秀男優賞=ロベルト・ヴィエンツキェヴィチ(「マイティ・エンジェル」)
▽最優秀芸術貢献賞=「草原の実験」(アレクサンドル・コット監督)
▽観客賞=「紙の月」(吉田大八監督)
▽WOWOW賞=「草原の実験」(アレクサンドル・コット監督)
《アジアの未来》
▽作品賞=「ゼロ地帯の子どもたち」(アミールフセイン・アシュガリ監督)
▽国際交流基金アジアセンター特別賞=「遺されたフィルム」(ソト・クォーリーカー監督)
《日本映画スプラッシュ》
▽作品賞=「百円の恋」(武正晴監督)
▽スペシャル・メンション=「滝を見にいく」(沖田修一監督)
《“SAMURAI(サムライ)”賞》
▽北野武監督
▽ティム・バートン監督

公開情報 公式サイト:http://2014.tiff-jp.net/ja/

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