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第34回藤本賞授賞式「STAND BY ME ドラえもん」の製作陣に授与(2015.06.04)

277本の映画を世に送り出した映画プロデューサー藤本真澄氏の功績を称え、その年に著しい活躍をした映画製作者を中心に表彰する「第34回藤本賞」の授賞式が6月4日(木)に行われた。昨年、大ヒットを記録した「STAND BY ME ドラえもん」を製作した伊藤善章氏、梅澤道彦氏、阿部秀司氏が本年度の藤本賞を受賞し、特別賞には「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」を製作した小岩井宏悦氏、奨励賞には「百円の恋」を製作した佐藤現氏が輝いた。

「STAND BY ME ドラえもん」の製作陣には「1980年から34年続く劇場用長編アニメーションを発展させる形で企画されたこの作品は、藤子・F・不二雄の原作の魅力に原点回帰した脚本と、3DCGの最新技術を駆使した最先端の映像を加味して、ファミリー層のみならず大人の観客に訴求し、630万人を超える観客を集めた」その功績に対して藤本賞が授与された。

受賞スピーチで藤子プロの社長である伊藤氏は「約6年前に企画が持ち込まれた時は、80%断るつもりでした」と明かしたが、山崎貴が監督を務めると聞き、思いが揺らいだそう。というのも山崎監督から「ジュブナイル」公開の際に、エンドロールに「藤子・F・不二雄に捧ぐ」と入れたいと申し出を受け、快諾していた縁もあったからだとしている。「送られてきたプロットを見たら実にいいんです。先生の原作の7本を一つの話に丸く収めていて、これをやらないとおかしいな、という気持ちになりました」と語った。

続いて梅澤氏は「山崎監督、八木監督、阿部さんと製作したアニメーション『friends もののけ島のナキ』が非常にクオリティの高い作品だったので、何とかこのノウハウを活かして、ディズニーの『トイ・ストーリー』などヒット作をやっつけるような作品が作れないかと思いました。一番その実現が可能だとすれば、日本の国民的キャラクターである『ドラえもん』だろう、という話になりました」と明かした。

阿部氏も「先週、中国でも『STAND BY ME ドラえもん』がスタートしたので、北京で久しぶりに3Dで鑑賞しました。中国の子供たちも日本の子供たちと同じところでウケていて、これだけ中国でも根強い人気があるということに、改めて感動しました。やはり藤子先生の力はワールドワイドなものだと思います。機会があれば『この続きを作ってみたい』というより『観てみたい』気がします」と熱く語った。

また、2作合わせて740万人の動員を記録した「るろうに剣心京都大火編/伝説の最期編」を手掛けた小岩井氏は、大友啓史監督と主演の佐藤健の才能に寄るところが大きかったと2人に感謝し、「プロデューサーとしての役割は小さいのに、結果がこんなに大きいのは運です。この運こそがプロデューサーとしては非常に有り難く、努力して得られるものではないので大事だと、昨晩、ジョージ・クルーニーがテレビで言っておりました」と明かして笑いを誘った。

そして、安藤サクラが30歳を過ぎてボクシングに挑む女性を演じた「百円の恋」を製作した佐藤氏は「脚本に惚れ込んで下さった安藤さん、武正晴監督をはじめとするスタッフが、主人公同様にボロボロになりながら、身を削って作り上げてくれました。当初4館から口コミで広がり、90館以上まで広がりました。僕らも観る度に主人公の一子から勇気を貰っていますが、観た人が映画から力をもらい、どんどん人に伝えていきたくなる。本当に映画の力を改めて教わったような気がしています」と感慨げに語った。

公開情報 公式サイト:http://www.eibunkyo.jp/fujimoto.html

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