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怖くて脚本が読めなかった!?竹内結子主演ホラーなど邦画3本がコンペティションに!「第28回東京国際映画祭」ラインナップ発表(2015.09.29)

10月22日(木)から31日(土)まで開催される「第28回東京国際映画祭」のラインナップ発表会が9月29日(火)に行われた。コンペティション部門16作品をはじめ全上映作品が発表され、ゲストとしてコンペティション部門に選出された「残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−」から中村義洋監督、竹内結子、「さようなら」から深田晃司監督、ブライアリー・ロング、「FOUJITA」から小栗康平監督が登壇し、今年の総合司会を務める羽鳥慎一アナウンサーと西尾由佳理アナウンサーと共に映画祭への期待などトークを繰り広げた。

はじめに、椎名保ディレクター・ジェネラルが昨年より新設された“SAMURAI”賞の今年の受賞者を発表。「比類なき感性で新しい時代を切り開いている映画人を称える賞として、今年は山田洋次監督とジョン・ウー監督に授与します。山田監督は皆様も納得かと思いますが、80歳を越えてもなお新しいことに挑戦し続ける姿勢に敬意を表します。ジョン・ウー監督は『男たちの挽歌』『ミッション:インポッシブル2』とアジアからハリウッドまで幅広く活躍される素晴らしい監督です」と受賞者2名を紹介。

授賞式は10月26日(月)に行われる「歌舞伎座スペシャルナイト」で行われ、その前日の25日(日)には、ジョン・ウー監督が若い映画人に向けたセミナーを開講することも明らかにされ、椎名氏は「東京国際映画祭、香港国際映画祭、釜山国際映画祭によるアジア・フィルム・アワード・アカデミーの協力を得て今回のセミナーを開催できることを大変誇りに思います。今年は会期も10日間と昨年より1日長く、会場も六本木と新宿地域に広げて開催しますので、映画を楽しみにしていらっしゃる方だけでなく、皆さんが楽しめる映画祭にしていきます」と宣言した。

また、今年のフェスティバルナビゲーターを務める2名も発表され、モデルで女優の季葉と、ラジオDJや翻訳家など様々な分野で活躍する野村雅夫が登壇。季葉は「映画が大好きなので、この機会に多くの方々に映画の魅力を野村さんと伝えていけたら」と明かし、野村も「多くの方にお越しいただいて、皆さんを巻き込んでいくような仕事ができれば」とコメント。「歌舞伎座スペシャルナイト」で舞踊を披露する片岡愛之助からもビデオメッセージが届き、「映画と同じように歌舞伎も観に来ていただきたい。10月26日に歌舞伎座で皆様とお会いできることを楽しみにしています」と語った。

そしてコンペティション部門のゲスト陣が登壇し、画家・藤田嗣治の知られざる真実に迫った「FOUJITA」を10年ぶりに監督した小栗康平監督は主演のオダギリジョーについて「藤田は猫好きで知られていましたが、オダギリさんも犬か猫かで例えるなら猫みたいにナヨっとした身体感覚があって、とても良かった。『監督が良ければ』と全て任せてくれる人で、映画を豊かにしてくれたと思います」と称賛。

また、小野不由美原作による戦慄のリアルミステリーを映画化した「残穢【ざんえ】−住んではいけない部屋−」の中村義洋監督は「本当に怖い小説で、ホラーを克服していたはずなのに、やっぱり怖かった。竹内さんも全然脚本を読んでくれなくて・・・」と主演の竹内結子に話を振り、竹内も「本の帯に『手元に置いておきたくない』と書いてあって、避けて通っていました(笑)。これから試写も観るので、心してかからなければと思っています」と自ら出演したにも関わらず戦々恐々の様子。

劇作家・平田オリザによるアンドロイド演劇という異色の作品を映画化した「さようなら」の深田晃司監督は「5年前に『歓待』で賞をいただき、その後、海外に向けた作品作りを意識する契機となったので、東京国際映画祭で本作もプレミア上映できるのは大変ありがたいことです」と明かし、舞台版にも出演したブライアリー・ロングは「アンドロイド演劇は2010年のあいちトリエンナーレから2年以上演じてきたので、ロボットとの共演は多くて慣れています(笑)」と流暢な日本語で語り、会場を沸かせた。

司会の羽鳥アナウンサーからコンペティション部門への出品ということで賞を意識するか聞かれると、小栗監督は「審査員の方々がどんな風に観て下さるのかは期待している」と語り、中村監督も「特殊な映画なので、ホラー好きでないと・・・というのがあります。僕は小栗さんを応援したい」とエールを送り、深田監督は「審査員とのご縁や運、タイミングというのもあるかと思うので、一流の方たちにどう観ていただけるのか楽しみ」と語った。

開催情報 2015年10月22日(木)〜10月31日(土)、六本木ヒルズ、TOHOシネマズ新宿他で開催
公式サイト:http://2015.tiff-jp.net/ja/

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