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邦画は「あゝ、荒野」、海外は「美女と野獣」が作品賞!「第42回 報知映画賞」授賞式(2017.12.20)

その年の映画賞の先陣を切って発表される「第42回 報知映画賞」の授賞式が12月20日(水)に行われた。これから始まる賞レースの受賞者・受賞作品を占う意味で大きな注目を集めている報知映画賞だが、今年は作品賞・邦画には「あゝ、荒野」、作品賞・海外部門には「美女と野獣」が選ばれた。「あゝ、荒野」主演の菅田将暉は「キセキ−あの日のソビト−」「帝一の國」「火花」の演技も評価され、今年の大活躍を物語る結果となった。また近年、良質なアニメーション作品が数々誕生していることから、アニメ作品賞の部門が新設され、今年大ヒットを記録した「SING/シング」が受賞した。

「アウトレイジ」3部作で特別賞を受賞した北野武監督は「作品賞とか監督賞ならわかるけど、特別賞というわけのわからない賞をありがとう。3部作の3本目でやっと賞を貰えたというのも、悲しい映画界の現実。興行成績も一番良かったのに・・・」とボヤキつつ、会場で振る舞われた食事にも文句をつけて会場の笑いを誘い、「これも報知映画賞の素晴らしい演出なんだろうね」と受賞を喜んでいるのか、照れ隠しなのかといったスピーチ。

2009年の西川美和監督(「ディア・ドクター」)以来、女性監督としては二人目の監督賞受賞となった三島有紀子監督は「心から映画を愛する皆さんに選んでいただけて幸せです。どうしても作りたかった家族の物語、男と女の物語で、お金がなかなか集まらなかったのですが、作らせてくださり、ありがとう。今後、映画で表現する自由が狭くなってくるかもしれませんが、突破口を開く、表現していく人間でありたいと思います」と決意表明した。

主演男優賞を受賞した菅田将暉は「24歳の僕がいただいていいのか、正直実感が無いです。今言えることは、沢山の人、沢山の作品と出会って、みんなで面白いものを作ろうと過ごしてきた結果が出たのだと思います。これが感無量ってやつか・・・。『あゝ、荒野』は岸監督が『菅田の代表作にしたい。俺の代表作にもしたい』と言っていたので、作品賞も取り、間違いなくその通りになったと、大見得を切って言いたいです!」と喜びを噛み締めた。

主演女優賞を受賞した蒼井優は「家の窓の隙間風をどうにかしようとしていた時に受賞の知らせを受けて、そのギャップの激しさに、さっきまでホワホワした状態でした。名前を呼んでいただいて、いきなり重みが出てきました(笑)。心から尊敬する中嶋しゅうさんの遺作となった作品で賞を取ることができ、これからも精進していこうと思いました。中嶋しゅうという素晴らしい俳優がいたことを忘れないでいただけたら」と7月に急逝した中嶋に哀悼の意を表した。

【第42回 報知映画賞 受賞結果】
▽作品賞・邦画部門=「あゝ、荒野」岸善幸監督、スターサンズ配給
▽作品賞・海外部門=「美女と野獣」ビル・コンドン監督、ウォルト・ディズニー・ジャパン映画配給
▽主演男優賞=菅田将暉「キセキ−あの日のソビト−」「帝一の國」「あゝ、荒野」「火花」
▽主演女優賞=蒼井優「彼女がその名を知らない鳥たち」
▽助演男優賞=役所広司「関ヶ原」「三度目の殺人」 
▽助演女優賞=田中麗奈「幼な子われらに生まれ」
▽監督賞=三島有紀子「幼な子われらに生まれ」
▽新人賞=北村匠海「君の膵臓をたべたい」、浜辺美波「君の膵臓をたべたい」
▽特別賞=「Ryuichi Sakamoto :CODA」スティーブン・ノムラ・シブル監督、「アウトレイジ」3部作 北野武監督

情報 公式サイト:http://www.hochi.co.jp/entertainment/feature/hochi_eigashou/

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