第37回藤本賞授賞式開催、「名探偵コナン から紅の恋歌」の製作陣が受賞(2018.05.31)
生涯で269作品を製作した映画プロデューサーの藤本真澄氏の功績を称え、その年に著しい活躍をした映画製作者を中心に表彰する「第37回藤本賞」の授賞式が5月31日(木)に行われた。昨年の邦画ナンバー1となる興収68.9億円のヒットを記録した「名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)」の原作者である青山剛昌氏をはじめ、プロデューサー陣の近藤秀峰氏、米倉功人氏、石山桂一氏が本年度の藤本賞を受賞し、特別賞には「銀魂」を製作した松橋真三氏、奨励賞には「君の膵臓をたべたい」を製作した春名慶氏、臼井央氏が輝いた。
「名探偵コナン から紅の恋歌」の製作陣には「1997年にスタートした劇場版シリーズの21作目を迎えてもなお、原作者とプロデューサーを中心に、定番に甘んじず常に新たな試みを加え、更なる観客層の拡大を志し、5年連続の興行収入新記録を達成する530万人の動員を成し遂げ、高い評価と多くの観客を集めた」その功績に対して藤本賞が授与された。
1994年にコミックの連載をスタートして以来、TVアニメ、劇場版と絶大な人気を誇るシリーズを描き続けてきた原作者の青山氏は「藤本賞は映画界における沢村賞だと聞きました。巨人ファンで、野球ファンの僕としては、取れてとても嬉しいです。巨人の連敗も昨日止まりました(笑)。この賞に負けないように、これからも頑張っていきたいと思います。ありがとうございました!」とユーモアを交えて挨拶した。
続いて近藤氏は「第20弾の『純黒の悪夢(ナイトメア)』で、それまでとは次元の違うヒットを飛ばし、この盛り上がりをどう続けていくかが課題でした。21作目は殺人ラブコメであるコナンの面白さに原点回帰し、どう伝えていくかという部分で頑張りましょうということになり、大倉先生によるラブコメ要素を加えた脚本を、静野監督がアクションで盛り上げ、大変バランスの取れた作品となりました。今後もずっと『コナン』は続いていきますので、賞状がまたいただけるよう頑張ります!」と更なる躍進を誓った。
「銀魂」で特別賞を受賞した松橋氏は「私自身は平凡な人間ですが、平凡故に観客の目線で『こんな作品があったらなぁ』と妄想できるのが才能だと思っています。福田雄一監督から『銀魂をやってほしいというツイートが多い』と聞き、『それやりましょう!』と私が言ったのがきっかけで動き始めました。その一言をスルーしていたら『銀魂』は生まれなかったのかと思うと、自分の仕事の意味がそこにあったと感慨深いです。今後も自分が観たい、面白そうだなと思う作品を作り続けていきたいと思います」と熱く語った。
また、「君の膵臓をたべたい」で奨励賞を受賞した春名氏は「奨励賞の意味を調べましたら、学業や業績を評価し、今後への期待や激励を込めた賞ということで、まだ伸び代があるということだろうと解釈しました。昨今、邦画の実写がアニメや洋画に押され気味ですので、『伸び代があるから、もう一回盛り返しなさい』と言われていると解釈しました。『コナン』の方々が羨ましいなと思ったのは、僕の映画はヒロインが死んでしまう作品が多くて、続編が作れないんですね。でも新たなヒロインを見つけて、また青春もので『コナン』に勝てるよう頑張りたいと思います!」と宣言した。
公開情報 | 公式サイト:http://www.eibunkyo.jp/fujimoto.html |
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