「万引き家族」が作品賞をはじめ最多8冠獲得!「第42回日本アカデミー賞」発表(2019.03.04)
「第42回日本アカデミー賞」授賞式が3月1日(金)に行われ、作品賞をはじめ最多8部門で「万引き家族」が最優秀賞を獲得した。是枝裕和監督は昨年6部門で最優秀賞を獲得した「三度目の殺人」に続き、脚本賞、監督賞と個人としても2つの最優秀賞に輝き、プレゼンターとして自分の名前を読み上げた瞬間は気まずそうな表情も浮かべたが、「希林さんの言葉を基に脚本を作り上げていったので、今回の受賞は希林さんと共に貰った賞だと思っています」と昨年逝去した樹木希林に感謝の言葉を述べ、作品賞受賞の際には「長い旅をこの作品と続けてきましたが、本当にいいラストを迎えられました」と笑顔を見せた。
「孤狼の血」で最優秀主演男優賞を受賞した役所広司は、「Shall we ダンス?」と「うなぎ」で2年連続最優秀主演男優賞に輝いており、昨年も「三度目の殺人」で最優秀助演男優賞を獲得。「『死の棘』で岸部一徳さんが最優秀主演男優賞を取られた時に『こんなことってあるんだな』とおっしゃっていて、そのスピーチに凄く感動したことを憶えています。2年連続でいただいた以来で、つくづく最優秀賞主演男優賞は難しいと感じていて、そんな素晴らしい賞をいただけてビックリしています。広島の呉で撮影し、昨年は水害もあり復興には時間がかかるかと思いますが、協力していただいた呉の方たちにも元気を出してもらえるんじゃないかと思っています」と述べた。
「万引き家族」で最優秀主演女優賞に輝いて以来の受賞となった安藤サクラは「娘が生まれ、子育てを24時間全力で尽くさないといけなくて、映画の現場も全力でいかなければならなくて、どう両方のバランスを取ったら良いかわからなかったんです。でも、この場に来て、素晴らしい先輩方の姿を見て、自分が映画というものに携わった時にお世話になった方々が追悼という形で表彰されているのを見て、皆さんと過ごした日々をこれからも生かしていけたらと思いました。どうしたって映画の世界の方々に憧れを抱いてしまうんです。授賞式が始まってから、あいまいでモヤモヤとした自分が嫌だったんですが、気持ちに決着をつけて、また映画の世界に戻ってきたいと思いました」と決意を新たにした。
【第42回日本アカデミー賞最優秀賞受賞結果】
▽作品賞=「万引き家族」
▽アニメーション作品賞=「未来のミライ」
▽主演男優賞=役所広司「孤狼の血」
▽主演女優賞=安藤サクラ「万引き家族」
▽助演男優賞=松坂桃李「孤狼の血」
▽助演女優賞=樹木希林「万引き家族」
▽監督賞=是枝裕和「万引き家族」
▽脚本賞=是枝裕和「万引き家族」
▽撮影賞=近藤龍人「万引き家族」
▽照明賞=藤井勇「万引き家族」
▽美術賞=今村力「孤狼の血」
▽録音賞=浦田和治「孤狼の血」
▽編集賞=上田慎一郎「カメラを止めるな!」
▽音楽賞=細野晴臣「万引き家族」
▽外国作品賞=「ボヘミアン・ラプソディ」
▽新人俳優賞=上白石萌歌「羊と鋼の森」、趣里「生きてるだけで、愛。」、平手友梨奈「響−HIBIKI−」、芳根京子「累−かさね−」「散り椿」、伊藤健太郎「コーヒーが冷めないうちに」、中川大志「坂道のアポロン」「覚悟はいいかそこの女子」、成田凌「スマホを落としただけなのに」「ビブリア古書堂の事件手帖」、吉沢亮「リバーズ・エッジ」
▽話題賞作品部門=「カメラを止めるな!」
▽話題賞俳優部門=伊藤健太郎「コーヒーが冷めないうちに」
▽協会特別賞=大塚康生(アニメーター)、金田正(映画スチールマン)、櫻井勉(プロデューサー)、千代田圭介(衣裳)
▽会場功労賞=岡田茉莉子(俳優)、岸惠子(俳優)、佐藤純彌(監督・脚本)、吉田喜重(監督・脚本)
▽会長特別賞=高畑勲(アニメーション監督)、星由里子(俳優)、津川雅彦(監督・俳優)、吉田貞次(撮影)、黒澤満(プロデューサー)
公開情報 | 公式サイト:http://www.japan-academy-prize.jp/ |
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