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邦画は「蜜蜂と遠雷」、海外は「ジョーカー」が作品賞!「第44回 報知映画賞」表彰式(2019.12.18)

その年の映画賞の先陣を切って発表される「第44回 報知映画賞」の授賞式が12月18日(水)に行われた。今年は作品賞・邦画には直木賞と本屋大賞をW受賞した恩田陸の同名小説の映画化「蜜蜂と遠雷」、作品賞・海外部門にはベネチア国際映画祭での金獅子賞をはじめ海外の映画賞を席巻している「ジョーカー」が選ばれ、アニメ作品賞には興収140億円を突破した新海誠監督の「天気の子」が輝いた。また、社会現象化した稀有な作品として「翔んで埼玉」が特別賞を受賞した。

アニメ作品賞を受賞した新海誠監督は「スマホのSNSでのコミュニケーションも楽しいものですが、映画はこういうものにも負けていないと思います。なるべく多くの皆さんが家から出て劇場で観たいと思う映画をこれからも作っていきたいです」と決意を新たにした。また、特別賞受賞の「翔んで埼玉」に出演したGACKTは「まさか46歳にもなって(高校生役なんて)、何をやっているのかな?と思いましたが、大ファンの魔夜先生からのご指名と聞き断れませんでした。埼玉を敵に回しかねないところ、監督の力量と素晴らしい出演者、スタッフの力でいい作品にできました」と笑顔を見せた。

新人賞受賞から最速での助演女優賞受賞となった小松菜奈は「歴史ある賞をいただきとても光栄です。デビュー作の『渇き』で新人賞をいただいて以来ですが、心にグッとくるものがあります。これからも1つ1つの作品と向き合って、皆さんに届けられたらと思っています」と挨拶し、3作品の演技により助演男優賞を受賞した成田凌は「一緒にお仕事をさせていただいた方々が今日も沢山いらっしゃっていて、皆さんに支えられていただけた賞だと思っています。不安も沢山ある中で、今ちょっとだけ自信が持てました。これからも驕ることなく、この賞に負けない役者になりたいです」と明かした。

主演女優賞を受賞した長澤まさみと「マスカレード・ホテル」「コンフィデンスマンJP」で共演した小日向文世が花束を持って駆け付け「長澤さんは会う度に背が高くなっているようで、女優としてのオーラが錯覚させているのかも。ますます大きくなって更なる高みを目指して欲しい」とエールを贈り、長澤は「両作品とも監督、スタッフ、キャストが一丸となって取り組んだので、この賞がいただけたのは皆さんのお陰です。15年前に助演女優賞をいただき、トロフィーの重みにびっくりしたことを思い出しました。今もこうして映画作りに携われていることに感謝し、毎日、努力を積み重ねていきたいです」と語った。

「記憶にございません!」の演技で主演男優賞を受賞した中井貴一には、仕事の都合で来場できなかった三谷幸喜監督から「やったね!」と一言だけメッセージが寄せられ、場内は爆笑。「コメディで賞がいただけるのは嬉しく、今回は特に美術スタッフに感謝したいです。立派なセットを作って下さり、その部屋に入っただけで役作りができました。最初に二世俳優と言われましたが、父の記憶はなく、映画で観る父を父親だと思い、イメージを膨らませてきました。父の子供であることを意識させてくれた映画に携わり、恩返ししなければと思ってきたので、これからも映画を愛し、必死に取り組んでいきたいと心から思います」と明かした。

【第44回 報知映画賞 受賞結果】
▽作品賞・邦画部門=「蜜蜂と遠雷」石川慶監督、東宝配給
▽作品賞・海外部門=「ジョーカー」トッド・フィリップス監督、ワーナー・ブラザース映画配給
▽アニメ作品賞=「天気の子」新海誠監督、東宝配給
▽主演男優賞=中井貴一「記憶にございません!」
▽主演女優賞=長澤まさみ「マスカレード・ホテル」「コンフィデンスマンJP・ロマンス編」
▽助演男優賞=成田凌「チワワちゃん」「愛がなんだ」「さよならくちびる」 
▽助演女優賞=小松菜奈「来る」「閉鎖病棟−それぞれの朝−」
▽監督賞=佐藤信介「キングダム」
▽新人賞=鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」、玉城ティナ「Diner ダイナー」「惡の華」
▽特別賞=「翔んで埼玉」武内英樹監督、東映配給

公開情報 公式サイト:https://www.hochi.co.jp/award/hochi_eigashou/

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