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「裸の映画が1位でいいの?」に拍手喝采!「第93回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式(2020.02.12)

日本で最も歴史のある映画賞「第93回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が2月11日(火)に行われ、日本映画第1位に輝いた「火口のふたり」で主演女優賞を受賞した瀧内公美をはじめ各受賞者が登壇した。結婚を控えながら昔の恋人との再会で束の間の欲望に身を委ねていくヒロインを演じた瀧内は「お世話になった前事務所を退所して、これからどうしていこうかな?と思っていた時に、こういう作品をいただけて、現事務所の吉住社長にも『おもいっきりやるんだよ!』と背中を押していただきました」と同作へ挑戦した経緯を明かした。

司会者からも「ほとんど服を着てなかったですよね」と話を向けられ、「そういう作品なので(笑)。柄本佑さんと私しかほぼ出てきませんが、柄本さんがいてくれたからこそ今日があるので、感謝を伝えたいです。毎日、首にシップをはって、腰も痛かったですが、私の意見も監督は聞いて下さり、クリエイティブでやり易かったです」と感謝。一方の荒井監督は「41年前に神代さんとやった『赫い髪の女』は4位、次に前田さんとやった『神様のくれた赤ん坊』も4位・・・」と自身が関わった過去の作品がキネ旬の1位を取れなかったことを驚くべき記憶力で次々と披露し始め、「72歳の脚本家が監督3本目にして低予算のR18で作った裸の映画が1位でいいのでしょうか?」と問いかけ、会場は大きな拍手で包まれた。

「宮本から君へ」で主演男優賞を獲得した池松は「問題が起こる度に自分たちで食い止めようと、壁を乗り越えようとする沢山の“宮本”がいる現場でした。宮本は正しくないことに声をあげ、血だらけになりながら闘う男で、みんなに鼓舞されながらやり遂げることができました。その闘った日々の勲章として、池松から宮本へ重みのある賞として捧げられたらと思います」と熱くコメント。2014年に「ぼくたちの家族」「紙の月」「愛の渦」などの演技で助演男優賞も受賞しており、2度目のキネ旬トロフィーの獲得となるが、「嬉しいということは確かです。今日は抱きしめて眠ると思います」と言って笑った。

【第93回キネマ旬報ベスト・テン表彰】
●作品
▽日本映画第1位=「火口のふたり」
▽外国映画第1位=「ジョーカー」
▽文化映画第1位=「i−新聞記者 ドキュメント−」
▽読者選出日本映画第1位=「半世界」
▽読者選出外国映画第1位=「ジョーカー」
●個人
▽日本映画監督賞=白石和彌「ひとよ」「凪待ち」「麻雀放浪記2020」
▽日本映画脚本賞=阪本順治「半世界」
▽外国映画監督賞=トッド・フィリップス「ジョーカー」
▽主演女優賞=瀧内公美「火口のふたり」
▽主演男優賞=池松壮亮「宮本から君へ」
▽助演女優賞=池脇千鶴「半世界」
▽助演男優賞=成田凌「愛がなんだ」「さよならくちびる」他
▽新人女優賞=関水渚「町田くんの世界」
▽新人男優賞=鈴鹿央士「蜜蜂と遠雷」「決算!忠臣蔵」
▽読者選出日本映画監督賞=阪本順治「半世界」
▽読者選出外国映画監督賞=トッド・フィリップス「ジョーカー」
▽読者賞=ライムスター宇多丸、三沢和子(連載「2018年の森田芳光」)
▽特別賞=和田誠(映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝を込めて)

公開情報 公式サイト:https://www.kinejun.com/2020/02/11/post-2064/

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