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主演&助演女優W受賞の安藤サクラはまだ見ぬ子孫にも感謝!「第86回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式(2013.02.12)

「第86回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が2月10日(日)に行われ、長い歴史を持つキネマ旬報でも初となる主演女優&助演女優賞のW受賞を果たした安藤サクラは「感謝の気持ちで爆発しそう!26年と12ヶ月弱育ててくれた母や父、今は亡きじいやん、ばあやん、先祖から子孫まで。知らない方も、通りすがりの方も、全ての人にありがとうと言いたい」とまさに気持ちを爆発させ、司会者からは「アカデミー賞の受賞スピーチでも、子孫に感謝した人はいないのでは!」と驚かれていた。

自身の実体験を基に描いた「かぞくのくに」が日本映画第1位に選ばれたヤン・ヨンヒ監督は、受賞トロフィーを抱えながら「とても重いです。(北朝鮮にいる)家族と引き換えに映画を作ってきましたが、今は映画を作る仲間たちが新しい家族になってくれています。これからも迷わずに映画を作り続けたいと思います」とコメント。日本映画監督賞を受賞した「終の信託」の周防正行監督は「デビュー当時はカルトムービー作家、その後は娯楽映画監督と言われ、今や社会派です。今後も違うレッテルをはられるような作品を作っていきたい」と語り、日本映画脚本賞と読者選出日本映画監督賞をW受賞した「鍵泥棒のメソッド」の内田けんじ監督は「僕が思っていた以上に魅力的に演じてくださったキャストに感謝。また、僕自身が観たいなと思うような映画を作っていきたい」と明かした。

また、助演男優賞を受賞した小日向文世が「映画の賞をいただくのはこれが初めて」と語ると会場からは驚きの声が漏れ、「キネ旬の賞ということで本当に光栄。得点表を見たら一票差でいただいたことがわかり、本当に良かった。またいつの日かここに呼んでいただけるよう頑張りたい」と笑顔で喜びを語った。新人賞を受賞した橋本愛は「血のりが似合い、ホラー映画ばかり呼ばれ、妖怪の役も2回。やっと青春群像劇に出られたと思えば、首の皮膚をゾンビに持っていかれ」と自虐的に語り出し「私自身、やっと子宮から出て、生まれて1年も経たない赤ん坊。これからも皆さんに頑張ることを許して欲しいと思いながら頑張りたい」と独特のスピーチを展開した。同じく新人賞の三浦貴大は「素直に『ヤッター!』と思いましたが、28歳で新人っぽくなくて申し訳ないです。これからも役者として精進していきますので、よろしくお願いします」と語り、両親である三浦友和と山口百恵からは「『おめでとう』とメールで言われました。『賞の重みに負けないよう、これからも頑張ってください』と何故か敬語でした」と明かした。

この日、北九州での舞台出演を終え、会場に向かっているという森山未來の到着を待ちながら進行されていた表彰式も終わりに近づき、ようやく森山が登場。「羽田までは普通に来れていたんですが、いつもはスムーズな道路が迂回路になってて。『来るな!』ということなのかと思ってしまいましたが、辿り着けて良かった」と安堵の表情を浮かべ、「山下監督と一つ一つ積み上げていった作品で、出来上がってからが苦役でしたが」と苦笑いしつつも「この賞をいただけたことで報われた気持ちがします」と晴れやかに語った。

【第86回キネマ旬報ベスト・テン受賞者】
▽日本映画作品賞=「かぞくのくに」
▽外国映画作品賞=「ニーチェの馬」
▽文化映画作品賞=「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」
▽日本映画監督賞=周防正行(「終の信託」)
▽外国映画監督賞=マーティン・スコセッシ(「ヒューゴの不思議な発明」)
▽日本映画脚本賞/読者選出日本映画監督賞=内田けんじ(「鍵泥棒のメソッド」)
▽主演女優賞/助演女優賞=安藤サクラ(「かぞくのくに」/「愛と誠」「その夜の侍」他)
▽主演男優賞=森山未來(「苦役列車」)
▽助演男優賞=小日向文世(「アウトレイジ ビヨンド」他)
▽新人女優賞=橋本愛(「桐島、部活やめるってよ」「ツナグ」「Another アナザー」他)
▽新人男優賞=三浦貴大(「ふがいない僕は空を見た」「あなたへ」「わが母の記」他)
▽読者選出外国映画監督賞=ベン・アフレック(「アルゴ」)
▽キネマ旬報読者賞=大高宏雄(キネマ旬報「ファイト・シネクラブ」の連載)

公開情報 公式サイト:http://www.kinejun.com/kinejun/best10/tabid/64/Default.aspx

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