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71歳になってもなお進化し続けるウォルター・ヒル監督!「バレット」来日記者会見(2013.04.22)

生きるために“殺し”を稼業とし続けてきた悪人をシルベスター・スタローンが演じるアクション大作「バレット」のウォルター・ヒル監督が初来日し、4月22日(月)に記者会見を行った。「48時間」「ストリート・オブ・ファイヤー」などエンタテインメントと共に“男の世界”を描く、その作家性に世界の映画人がリスペクトを捧げてきた名匠が、友人でもあるスタローンからの30年を越えるラブコールを受け、10年ぶりに監督業に復帰した。

本作は、元海兵隊員、逮捕歴26回、有罪2回、言葉よりも弾丸で問題を解決してきた生粋の殺し屋ジミーが、相棒の復讐のため、自らのルールを捨て、若き堅物刑事テイラーと手を組み、凶悪な敵たちに立ち向かって行く姿を描いている。ジミー役にシルベスター・スタローン、テイラー役に「ワイルド・スピード」シリーズのサン・カン、その他、ジェイソン・モモア、クリスチャン・スレイターらが共演しており、製作は「ダイ・ハード」「マトリックス」シリーズ等のジョエル・シルヴァー。

ウォルター・ヒル監督は10年ぶりにメガホンをとった経緯について「長年の友人でもあるスタローンから脚本が送られてきて、70年代、80年代のアクション映画へオマージュを捧げるような映画を作りたいと言われた。だったらレトロムービーの精神を、現代的にアプローチして作ったら面白いのではないか?と提案したところ、気に入ってくれて待望のタッグが実現した」と明かした。

スタローンについては「個性の強い役者。今回は普段より抑制の効いた演技をお願いし、彼自身も監督をしているが、一役者として現場に入ってくれたので、スムーズに撮影することができた。ユーモアのセンスもある人で、36日間というタイトな撮影も楽しく過ごすことができた」と絶賛。

若い頃から日本映画にも親しんできたということで、「黒澤明はもちろん、溝口健二、小津安二郎、市川崑、大島渚らの作品を観てきた。『ラストマン・スタンディング』を監督した時、最初にプロデューサーから黒澤の『用心棒』を脚色して欲しいと言われて『NO!』と断ったんだ。『用心棒』を脚色するなんてクレイジーな話だし、恐れ多かったからね。でもギャング映画としてなら脚本を書くので、誰か他の人に監督してもらうのはどうか?と提案したんだが、黒澤監督のご家族からも了承を得て、結局、自分が監督することになり、リメイク作品ではなく再解釈として取り組むことになった。その時に、黒澤監督からサインと写真付きの手紙をいただき、今でも私のオフィスに飾ってあるよ。ルイス・ブニュエルとジョン・フォードの写真と並んでね」と嬉しそうに語った。

71歳になってもなお精力的に活動を続け、今後も映画を通してストーリーテリングを続けていきたいと語る監督。「今の時代は映画の可能性も広がっているし、低予算でも映画が作れる。例えばiphoneの撮影技術は、ヌーヴェルヴァーグ時代と同等のテクノロジーだと聞いている。今は誰でも映画が作れて、作品を届けるシステムも変わってきているわけだから、古いやり方にこだわってはいられない。未来はもう皆さんの手中にあるんだ。僕自身、コンパクトな物語を作り出すことに興味を持っているので、これからも脚本を書くし、新しい映画を携えて、また日本に戻って来たい」と熱く締めくくった。

公開情報 松竹配給「バレット」は2013年6月1日(土)から全国公開
公式サイト:http://bullet-movie.jp/

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