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ストーブで温め合った上川隆也と武田真治「二流小説家−シリアリスト−」完成披露会見(2013.06.05)

「週刊文春ミステリーベスト10 2011年(海外部門)第1位」、「このミステリーがすごい!2012年版(海外編)第1位」、「ミステリが読みたい!2012年版(海外編)第1位」の史上初ミステリー賞3冠を獲得したデイヴィッド・ゴードン著「二流小説家」を映画化した「二流小説家−シリアリスト−」の完成披露会見が6月5日(水)に行われ、主演の上川隆也をはじめ、武田真治、片瀬那奈、高橋惠子、小池里奈、主題歌を歌う泉沙世子、原作者のデイヴィッド・ゴードンが登壇した。

官能小説で生計を立てている中年の売れない小説家・赤羽一兵が、東京拘置所にいる連続殺人犯の死刑囚・呉井大悟から来た「告白本を書いて欲しい」という執筆依頼によって、12年前の呉井によるそれと全く同じ手口で殺人事件が起こっていくミステリー。物語のエンディングには、観るもの全てを欺く、まるで想像もつかない驚愕の事実が暴かれる。

売れない小説化・赤羽一兵を演じた上川隆也は「本当によくできたミステリーを楽しんでいただけたら」と、映画初主演を飾った本作に満足な様子。初主演に関して聞かれると「大スクリーンに縦何メートル、横何メートルで自分の顔が映って、消え入りたかったくらいでした。未だにフィルムで観るのは気後れしてしまいます」と語ると、隣にいた片瀬那奈から「何年(俳優業)やってるんですか!」と小さく突っ込まれ、意外なほどに画面に映ることへの謙虚な姿勢がうかがえた。

猟奇的な殺人犯・呉井大悟を演じた武田真治は「ミステリーの枠に収まらない人間味がある、本当に良質なミステリーです」と自信を見せた。上川とのシーンがほとんどだったことから「2人は対立したキャラクターではあるんですけど、もっとこうしてほしいとか役についての演技プランを2人でストーブで温まりながら良く話し合いました」と、言葉を振り絞るように語り、上川と真摯に役に向き合っていた様子を語った。

呉井に姉を殺されたホステスを演じた片瀬那奈は「出演していながら、上川さんと武田さんの迫真の演技に飲み込まれました。ミステリーがミステリーを呼んで私の頭の中もミステリーです!」と作品の世界観を語った。また小池里奈は上川について「喋りかけられない真面目な方というイメージがありましたが、優しくて面白い方でした。上着を貸してくださったり、ストーブを配給してくださったり、和やかな雰囲気を作ってくれました」と語ると、司会者から「ストーブの人になっちゃってますね!」と突っ込まれる場面も。

高橋惠子は50歳になってから弁護士の資格を取得した役柄について「今までやった事のないような役で、普通とは違うミステリアスな女性だったので是非この役をやりたいと思いました」とコメント。「上川さんはシーンをより良いものにしようという空気が伝わってくる方で、手応えのある楽しい現場になりました」と初主演の上川に太鼓判を押した。

原作者のデイヴィッド・ゴードンは「コンニチハ、わたしがデイヴィッド・ゴードンです」と日本語で挨拶。日本での映画化について聞かれると「日本のカルチャーは小さい頃からファンだったので、日本で作られると聞いて夢のようだった。ラッキーだよ」と笑顔でコメントした。また、主題歌「手紙」を歌う泉沙世子は、歌詞について「映画を観てから、むき出しの愛とテーマに人間の奥底にある感情を詞に込めました。私の音楽の幅を広げてくれて、色々なものを与えてくれました」と神妙な顔つきで語った。

最後に武田は「さっき控え室で上川さんが他の出演者さんと話していると、僕は誰と話して良いのかわからなくて、ジェラシーも感じてしまいました」と、上川への強い愛を吐露し、対立する関係にある役どころでありながら、よく話し合って撮影を進めていったことに関して「ただの対立じゃない、深い関係になることができたと思います。ストーブでよく温め合って・・・」と言ったところで会見終了の時間となり「これで終わりですか!?すいません・・・」と会場の笑いを誘っていた。

公開情報 東映配給「二流小説家−シリアリスト−」は、2013年6月15日(土)から全国公開
公式サイト:http://www.shousetsuka.com/

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