ニュース

モスクワ映画祭で審査員特別賞を受賞!「さよなら渓谷」真木よう子ら喜びの受賞会見(2013.07.02)

真木よう子7年ぶりの主演映画「さよなら渓谷」が、6月29日に閉幕した世界四大映画祭の一つ「第35回モスクワ国際映画祭」のコンペティション部門で見事、最優秀作品賞に次ぐ審査員特別賞を受賞。現地で喜びの受賞を果たした真木よう子、大西信満、大森立嗣監督が帰国し、受賞会見を7月2日(火)に行い、真木は「本当に賞を持って日本へ帰れたことがすごく嬉しい。それが素直な今の気持ちです」と真摯な表情で挨拶した。

本作は「パレード」「悪人」「横道世之介」等で知られる吉田修一の同名小説を基に、緑豊かな渓谷で起こった幼児殺害事件を追う記者が、その裏で15年前に起きた残酷な事件の被害者と加害者が夫婦となっている衝撃の事実を知り、2人の隠された秘密に迫っていく。

この日、朝11時に日本へ帰国したばかりということで、大森監督は「賞を取ると、こんなに沢山の方に集まっていただけるんだな。嬉しいです。モスクワの税関でもVIPの所に連れて行かれたから、もしかしたらファーストクラスに乗れるんじゃないか!と思ったけど、普通にエコノミーで帰ってきました」と残念がっていた。
モスクワ映画祭では1800人収容する劇場で上映されたということで、大西は「迫力がすごかった。日本ではなかなかそこまで大きな規模での上映は無いので」と語り、カンヌ映画祭に続いてレッドカーペットを体験した真木は「華々しい光景を味わえました。事前に相談したわけでは無いのですが、3人とも(服装が)黒で、カッコ良くていいね!なんて話していました」とリラックスしていたようだ。

審査員特別賞が発表された瞬間について監督は「席も出やすい所だって真木さんが言うし、カメラがこっちに動いて来てるとか言われたけど、トイレへ行ったら締め出されてしまって、慌てて無線で連絡してもらって中に入れたんだけど。プロデューサーは事前に(受賞を)知っていたみたいで、俺だけ知らず、Japaneseって言われて気が付いて、ビックリした」とバタバタしていたことを明かし、「抱き合えば良かったな~」とやや後悔の様子。

真木は「舞台に上がっていく監督の姿を見て、すごい感動しました」と語り、受賞後は真っ先に母親に電話したということで、「(母は)ずっと応援してくれていたので。日本は夜中だったんですけど、直ぐに出てくれて、泣きながら喜んでくれました。嬉しかった」と語り、監督も「弟(本作で記者を演じている大森南朋)にメールしたけど、寝ていたみたいで、数時間経ってから『やったね!』って来ました」と明かした。

また、現地での反応について監督は「映画祭のディレクターの方や審査員とは話す機会があって、授賞の理由として『人間関係の深い洞察力があったから』と言われ、僕はそれは役者が作り出したものだと思っている。この3人で映画祭に行けて良かったし、スタニスラフスキーを生み出した目の肥えた国で、俳優が認められたことが嬉しかった」語った。

真木は「分かりやすい話では無いし、繊細な心理描写が理解されるか不安でしたが、賞をいただいて、国境を越えて理解してもらえたんだという喜びはありました。私にとってはカンヌが初めての映画祭で、モスクワでも賞をいただきましたけど、これは決して当たり前のことでは無いんです。驕るなよと言い聞かせつつ、光栄だし、名誉あることだし、これから仕事をしていく上での自信をもらいました」とコメント。

企画段階から関わっていたという大西も「万人には好かれないようなシリアスな話ですが、映画を成立させてくれた人たちの思いを背負って、モスクワで賞をいただくことができ、とてもホッとしています。映画に対する純粋な時間が過ごせて、共演者からもいろんなものをもらうことができ、これからもこの経験を活かしていきたい」と決意を新たにした。

最後に、公開されたばかりの映画をPRすべく、「賞をいただけたのは誇らしいことだし、自慢していいことだと思うので、皆さん観なければ損です。劇場に足を運んでください」(真木)、「スキャンダラスな内容ばかり取り上げられたら嫌だなと思っていましたが、人間ドラマとして海外で評価されたので、日本でも観ていただくきっかけになったと思う」(大西)、「観ていただけたら何かが残る作品。僕自身、10年、20年と心に残る映画を作りたいと思っているので、是非、観にきてください」(大森監督)とそれぞれが熱く締めくくった。

公開情報 ファントム・フィルム配給「さよなら渓谷」は6月22日(土)から有楽町スバル座、新宿武蔵野館他公開
公式サイト:http://sayonarakeikoku.com/

バックナンバー

ページのトップへ