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市川海老蔵は「平成の狼藉者」ではなく「うつけ者」はたまた「美しき怪物」?「利休にたずねよ」完成披露会見(2013.11.05)

第37回モントリオール世界映画祭で最優秀芸術貢献賞を受賞した市川海老蔵主演「利休にたずねよ」の完成披露会見が11月5日(火)に行われ、市川をはじめ、共演の中谷美紀、大森南朋、伊勢谷友介、クララ、田中光敏監督が登壇した。11月26日から来年1月13日まで特別企画展「映画『利休にたずねよ』×百段階段」が行われる目黒雅叙園での会見となり、東京都指定有形文化財の百段階段で劇中の衣装や小道具の展示、映像・パネルによる紹介等が行われることが明らかにされた。

「茶聖」とまで称えられた至高の芸術家・千利休。その崇高なまでに研ぎ澄まされた美意識が、若い頃に体験した情熱的な恋に始まっているとしたら?という大胆な仮説のもと、稀代の茶人の出発点を取り上げ、第140回直木賞を受賞した山本兼一の歴史同名小説を映画化。

モントリオール世界映画祭で芸術面において認められた作品とあって、「日本の美」についてどう考えているか質問されると、市川は「日本人は何も無い余白を楽しむことができる珍しい人種だと思います。例えば墨で月が描かれていたとして、何も無いところも想像できる美意識を持っている」と語ると、中谷も「全く同じことを考えていました。引き算の美学と言えると思います」と賛同。田中監督も「美しさとは、自分らしさ。利休も利休らしさを無くした瞬間に美しくなくなってしまう。日本も、日本らしく、日本人らしく、どう生きていくかが大切なんじゃないかと思います」と美に対する持論を明かした。

7月に行われた報告会見では中谷が市川を「平成の狼藉者」と言ったことが話題となったが、「出口のない海」以来7年ぶりに市川と共演した伊勢谷は「海老ちゃんの格式高い姿を見せてもらって、彼の成長を感じました。僕が演じた信長は『うつけ者』と呼ばれていましたが、海老ちゃんも撮影前は必ず楽屋に遊びに来てくれて、自分の控え室のようにくつろいでいくので、『平成のうつけ者』かな」と語ると、市川は「ありがとうございまーす」と一礼。続いて大森が「歌舞伎界をしょって立っていく人で、いろんなエピソードは耳に届いてはいますが、初日に彼の佇まいや所作、動きの美しさに感動しまして、一言で言うと『美しき怪物』ですかね」と称えると、またしても市川は「ありがとうございます」と返答。

「平成の狼藉者」発言の当事者である中谷は「真面目で、役柄に真摯に向かわれる方で、いつも15分前行動をなさるので、スタッフやキャストも慌てふためくほど、常に準備をなさって撮影に臨まれていました。現場を引っ張っていただき、やんちゃなところも見せつつも、利休を演じるにあたり、道具の勉強やお茶のお稽古をしっかりされて、尊敬しております」と語ると、恥ずかしさのピークに達したのか、市川は「ありがとうございます」と言いつつも「やめようよ!なんか恥ずかしいよ」と顔を赤らめた。

また、日本映画は初出演となるクララは「高麗の女を演じました。この映画で美をいっぱい発見しました」と日本語で挨拶し、「海老蔵さんは、私が気軽に演技ができるよう、快く受け入れてくださって、本当に優しい方でした。でも撮影に入ると目の色が変わって、真剣そのもので、ステキな先輩でした。今まで共演した俳優の中でも最高の先輩です!」と賞賛すると、最後も市川は照れくさそうに「カムサハムニダ」と応えた。

公開情報 東映配給「利休にたずねよ」は2013年12月7日(土)から全国公開
公式サイト:http://www.rikyu-movie.jp/

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