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松田龍平「やってやったぞ!」ジンクス破り主演男優賞!「第87回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式(2014.02.10)

「第87回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が2月8日(土)に行われ、『舟を編む』により主演男優賞を受賞した松田龍平は「本当に嬉しいです。監督、スタッフ、キャスティングしてくださった方、皆さんのおかげで壇上に立てていると思います」と控えめにコメント。松田は2000年の『御法度』で同賞の第74回新人男優賞を受賞しており、新人賞を獲得したその後に、主演男優賞で戻ってきた男優はキネマ旬報ベスト・テン始まって以来の快挙であると告げられると、「やってやったぞ!」と照れながらトロフィーを握り締めた。

日本映画第1位に選ばれた『ペコロスの母に会いに行く』の森崎東監督はこの日、悪天候と体調不良のため欠席。代理として出席した撮影監督の浜田毅氏は「(脚本賞を受賞した)荒井さん、石井監督の作品を抑えて1位というのは最高です。森崎監督もひっくり返っています。監督は86歳ですが、思った以上にパワーがある方でした」と監督の印象を明かした。日本映画監督賞と読者選出日本映画監督賞をW受賞した『舟を編む』の石井裕也監督は「このような賞をいただけたのも、スタッフやキャストの方々のおかげだと思います。松田さんが主演男優賞をいくつも受賞していて嬉しいです」と喜びを噛み締めた。

また、外国映画監督賞と読者選出外国映画監督賞をW受賞した『ゼロ・グラビティ』のアルフォンソ・キュアロン監督からは「この作品は映画に関わったキャスト、スタッフ全員の愛情の結晶であり、私たちのあらゆる努力と挑戦を、このような賞で認めていただけて大変嬉しいです。日本でこれ程高く評価していただくことは、私たちにとってどれだけ多くの意味を持つことか分かりません。本当にありがとうございます」とのコメントが寄せられた。

主演女優賞を受賞した真木よう子は『さよなら渓谷』で演じた役について「とても難しい役だったので、間違いなく周りの支えが無ければ乗り越えられなかったと思います。その支えて下さった方たちを代表していただいた賞だと感じています」と謙虚に語るも、『そして父になる』については「芝居をしているというよりは子育てをしているという感じだった」と異なる役柄を懐かしそうに振り返っていた。

『そして父になる』と『凶悪』で、子煩悩な父親と残虐な悪人という全く異なる役を演じ、助演男優賞を獲得したリリー・フランキーは「素晴らしい共演者、スタッフの皆さんに作っていただき、そこにたまたま自分がいて運が良かったなと思います。20代の頃からキネマ旬報に原稿を書きたいと思いつつ、現在まで書かせてもらえなかったんですが、出る方(役者)で賞を貰うことができるぞ!と20年前の自分に言いたい。だからこそ、今回の賞はピエール瀧には獲られたくなかった」と『凶悪』で共演したピエール瀧へのライバル心を剥き出しにし、会場を沸かせた。

『共喰い』『はじまりのみち』により助演女優賞を受賞した田中裕子は「映画を沢山の人に見てもらうことは難しいことですが、こうやって受賞させてもらうと本当に見てくれた人がいるのだなと実感できます」と晴れやかに語った。また1984年に松田龍平の父・松田優作の横で同賞の主演女優賞を受賞している田中は、2代続いて主演男優賞を受賞した松田親子の隣に立てていることに「チョー嬉しいです!」と満面の笑みを浮かべた。『少年H』により新人男優賞を受賞した吉岡竜輝は「新人賞を受賞した俳優が、主演賞で再びこの舞台に戻ってくることは難しい」というジンクスがあることを聞くと「ジンクスを乗り越えて助演男優賞、主演男優賞も獲って、松田さんを超えたいです。叶えなければいけない夢ができました」と闘志を燃やした。

【第87回キネマ旬報ベスト・テン受賞者】
▽日本映画作品賞=「ペコロスの母に会いに行く」
▽外国映画作品賞=「愛、アムール」
▽文化映画作品賞=「標的の村」
▽日本映画監督賞/読者選出日本映画監督賞=石井裕也(「舟を編む」)
▽外国映画監督賞/読者選出外国映画監督賞=アルフォンソ・キュアロン(「ゼロ・グラビティ」)
▽日本映画脚本賞=荒井晴彦(「共喰い」)
▽主演女優賞=真木よう子(「さよなら渓谷」「そして父になる」他)
▽主演男優賞=松田龍平(「舟を編む」)
▽助演女優賞=田中裕子(「共喰い」「はじまりのみち」)
▽助演男優賞=リリー・フランキー(「凶悪」「そして父になる」)
▽新人女優賞=黒木華(「舟を編む」「シャニダールの花」「草原の椅子」他)
▽新人男優賞=吉岡竜輝(「少年H」)
▽キネマ旬報読者賞=荒俣宏(キネマ旬報「百年の闇 キネマの幻」の連載)

公開情報 公式サイト:http://www.kinenote.com/main/kinejun_best10/2013/award/

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