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過酷な筋トレと撮影を夫人も心配して・・・?唐沢寿明「イン・ザ・ヒーロー」キックオフ会見(2014.06.30)

アクション映画や特撮ヒーローものに欠かせない存在でありながら、顔を知られることなく、肉体を酷使しながら闘うスーツアクターにスポットを当てた「イン・ザ・ヒーロー」のキックオフ会見が6月30日(月)に行われた。自身も過去にスーツアクターとして特撮ヒーロー番組に出演していたという主演の唐沢寿明をはじめ、武正晴監督、脚本の水野敬也、そして主題歌「Dream On」を歌うことが発表された吉川晃司が登壇した。51歳になったばかりの唐沢にとって過酷な撮影だったようだが、「精一杯、一生懸命やるしかない!という思いが観客に届くように頑張りました。完成を楽しみにしていて下さい」と挨拶した。

この道25年のスーツアクター本城渉は“顔出し”で映画出演することを夢見ながら、待ちくたびれた妻子には逃げられ、新人・一ノ瀬リョウにもその座を奪われる辛酸を舐めてきた。そんな本城にチャンスが到来するが、それは命をも落としかねない危険なスタントだった。唐沢は「自分が経験したことがそのまま詰まっている」と語るほど思い入れのある作品ということもあり、クライマックスでは高さ8・5メートルからの落下や燃え盛る炎の中での忍者100人斬りなどに挑戦。共演は福士蒼汰、寺島進、和久井映見、黒谷友香。

企画意図について李鳳宇エグゼクティブ・プロデューサーは「私は日の当たらない人に光を当てる映画を沢山作っており、この映画も10年程前に企画していましたが、やっと成就することが出来ました。本編を観ると『本当に唐沢がやっているのか!?』と驚かれると思うし、何度観ても涙する。忍者たちの大立ち回りがあるということで武監督にお願いし、脚本は面白いお話とセリフが書ける水野さん、熱い男たちの映画ということで吉川さんに主題歌をお願いし、この人たちじゃなければ出来なかったという映画が出来ました」と語った。

「夢をかなえるゾウ」シリーズの原作者としても知られる脚本の水野は、以前から李プロデューサーのファンだったことを明かし、「尊敬する李さんからお話をいただいた時、凄い映画になると思い、他の仕事は全部辞めて、この映画だけ1年間やらして欲しいと事務所にお願いしました。オリジナルの脚本という映画のあるべき形で始まった企画に加われたことが嬉しい。映画は初挑戦なので、何か他の人より自分が優れている部分を探すとすれば、(納得がいくまで)永遠に脚本を直し続けることでした」と本作にかける思いは相当なものだったよう。

製作陣の期待を一心に背負ってアクションに挑んだ唐沢は「撮影に入る前はトランポリンをやったり、アクションの基礎をやったりして怪我をしたりもしました。今どき珍しいアナログ感で、逆に新鮮なんじゃないかな。肉体ひとつで勝負するのは面白いし、素直に感動できます。筋トレと食事制限もしていましたけど、今は筋肉が微塵もありません」と笑い、夫人の山口智子にも過酷な撮影を心配され、「もうやめなよ~」と言われたそうだが、「やめなよって、仕事だから!」と突っ込んだことを明かした。また、スーツアクターとしての得意技を聞かれると、「それは見てのお楽しみ!全部自分でやってます。でも本当に僕がやってるのかわからない部分が、映画の本質にも重なっていると思う」と語った。

武監督も唐沢の奮闘を称え「これだけ動けて、最後まで務め上げることができるという根性を見せてくれました。ぶっ倒れるんじゃないかと心配していましたが、スタッフやスタントチームも唐沢さんに引っ張られたし、最後の立ち回りのシーンは二度とできないんじゃないかと思うほど、いい場面になりました」と語り、主題歌を書き上げた吉川も「ものすげぇいい映画だな!と思い、これは是非曲を書きたいと思いました。唐沢さんが飛んだり、跳ねたりしていらっしゃる姿が素晴らしく、曲が出来るまでずっと見ていたので、亡くなる時に唐沢さんが走馬灯のように出て来るんじゃないかと思うほどでした」とユーモアを交えて作品への思いを熱く語った。

最後に唐沢は「子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで、とにかく多くの人に観て欲しいです」とPR。吉川も「僕もこういう映画に呼んでください。是非パート2に!」と懇願すると、唐沢は「最近、僕は忙しいので・・・。腰の調子も悪いし」と尻込みしてみせ、会場から笑いを誘っていた。

公開情報 東映配給「イン・ザ・ヒーロー」は2014年9月6日(土)全国公開
公式サイト:http://in-the-hero.com/

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