笑福亭鶴瓶は吉永小百合が好きな“じゃがいも”タイプ?「ふしぎな岬の物語」完成報告会見(2014.07.16)
映画女優として常に輝き続ける吉永小百合が「孤高のメス」「八日目の蝉」等の成島出監督と共に初めて企画も手掛けた主演作「ふしぎな岬の物語」の完成報告会見が7月16日(水)に行われた。8月21日からカナダで開催される「第38回モントリオール世界映画祭」のワールドコンペティション部門への正式出品が決定し、共演者の阿部寛と共に現地を訪れる吉永は「とても嬉しく思っています。プロデューサーとしても、しっかりと作品をアピールできればと思います。フランス語圏なのでフランス語で挨拶できるよう、今から練習しないといけないかなと思っています」と笑顔で語った。
本作は、「津軽百年食堂」や「あなたへ」など、不器用に生きることを優しく肯定する森沢明夫の小説「虹の岬の喫茶店」を基に、岬の先端にある小さなカフェに集まる人々と女店主・悦子の心温まる交流や絆を紡ぎ出している。吉永は「心の触れ合いや温かさを描いた作品になったのではないかと自負しています。出演者の皆さんにも助けていただいて、いい映画が出来ました」と挨拶し、ヒロイン悦子の甥・浩司を演じる阿部寛は「役者としても、自分自身の人生にとっても宝物になる作品。すごく幸せな気持ちになりましたし、皆さんにもそういう力を与えると思います。モントリオール世界映画祭に吉永さんとご一緒させていただくので、いい結果が出れば嬉しい」と期待を膨らませた。
漁師である父親の反対を押し切って結婚したものの、突然岬に戻ってくる竜崎みどりを演じた竹内結子は「吉永さんとは、女優という道を志してから一度はご一緒したいと思ってきました。こんなに大らかな気持ちで居られる現場は初めてで、悦子さんが淹れるコーヒーの一滴、一滴のように心がこもっていて、セリフにはないものが薫りのように漂っています」と作品を形容した。岬カフェに毎日のように通いつめる不動産屋のタニさんを演じた笑福亭鶴瓶は「すんごく優しい作品で、誰かが誰かを気にしている、一人じゃないんだと気付かせてくれる映画。いろんな殺伐とした映画がありますけど、こういう映画が大切なんじゃないかと思います。モントリオールに行けないのがすごく残念で、落語会を全部やめて行きたい!」と悔しさをにじませた。
今回、プロデューサーと主演女優という二足の草履を履いた吉永は、それぞれの立場について「出演者としては無遅刻、無欠勤だったので、それだけでも良かったのではないかと思っています。プロデューサーとしては、台本が出来るまでは頑張っていたのですが、演技をするようになってからは、皆さんがお芝居を続けていても、次の撮影があるので途中で帰らなければいけないこともありました。撮影が終わってからは編集やダビング作業などに週6回ほど立ち会い、生まれて初めてスタッフの立場になって、こんなに大変なんだということがわかりました。それだけでも良かったと思います」と明かした。
そんな吉永の奮闘を見ていた共演者たちは「こんなに俳優に寄り添って下さるプロデューサーは、なかなか居ないと思います。気を使わないように、気を使って下さっていました」(竹内)、「お気遣いの手紙を5通くらいいただき、誕生日にもメッセージをいただきました。油断していると先に挨拶されてしまうので、ちゃんとしなければという感じでした。現場も温かくて、毎日、幸せな時が過ごせました」(阿部)と感謝の気持ちを込めて労った。
すると鶴瓶は阿部に負けじと「僕も手紙、4通もらってますよ」と不敵な笑みを浮かべ、「今回は互いに密かに思いを寄せ合う役だったんですけど、普段も近い感じで。手を握ってきはったり、キャッチボールのシーンでも、僕の本名で『学くーん!』と呼ばれたり。『この人、オレのこと本気で好きなんちゃうかな!?』と思いましたよ。この前、和泉雅子さんとお会いした時、『小百合ちゃんは、あなたみたいなタイプが好きなのよ。ジャガイモみたいなタイプ!』って言ってはりました」と自慢気に明かした。
公開情報 | 東映配給「ふしぎな岬の物語」は2014年10月11日(土)全国公開 公式サイト:http://www.misaki-cafe.jp/ |
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