全国の書店員や書評家が絶賛する岡本貴也の小説｢彼女との上手な別れ方｣を、平川雄一朗監督が主演に岡田将生を迎えて映画化した｢想いのこし｣の完成披露会見が11月10日（月）に行われた。今まで好青年の役柄が多かった岡田は｢最低なクズ野郎を演じました。今までやったことのないような役で、自分的には挑戦した役です｣と挨拶し、ポールダンサーのシングルマザーを演じた広末涼子は｢こんなにも笑えて泣けるジェットコースタームービーは久々で、痛快で気持ちのいい涙が流せる作品に参加できて嬉しいです｣と笑顔で語った。

金と女に目のないダフ屋のガジロウは不慮の事故に遭うも無傷で生還。しかしその事故で亡くなったポールダンサーのユウコをはじめとする4人が現れ、やり残したことを叶えて欲しいとガジロウに懇願するのだった。これまでもドラマ｢JIN−仁−｣や大ヒット映画｢ROOKIES−卒業−｣など記憶に残る感動作を生み出してきた平川監督は｢幽霊が出て来るファンタジー映画ですが、登場する人たちはしっかりと生きているヒューマンドラマです｣とコメント。

本作で“クズ野郎”を演じただけでなく、ポールダンスにも挑戦するなど新たな経験が多かった岡田は一番印象に残っていることとして｢ウエディングドレスを着たこと｣と明かし、｢二度と無いだろうと思いますが、あれはもう着たくないです。似合っていると言われても嬉しくないし、似合ってないと言われるのも嫌だし、複雑な経験をしました｣と苦い表情。すかさず監督から｢ステキでしたよ｣と声をかけられ、広末からも｢目に入れたくないものが出てくるかと思ったけど、意外と似合ってて（笑）。目覚めてしまったんじゃないかと・・・｣と言われると、岡田は慌てて｢全然目覚めてないですよ！ホント女装とか趣味じゃないんで！｣とすっかり困った様子。

女手ひとつで息子を育てるも、事故死してしまうシングルマザーを演じた広末は｢母であれば誰もが共感できる役でした。息子の幸太郎が池に突き落とされて、母として声もかけてあげられないという耐え難いシーンから始まって。私が（幸太郎役の）巨勢君のお母さんだったら『やめていいよ！』と言いたいくらい、追い込まれているのを見て、抱きしめたくなりました｣と明かし、そのシーンについて巨勢竜也は｢最初は水溜りに落ちると聞いていたのに、現場に行ったらスタッフさんの膝ぐらいまで水がある池でビックリしました。冷た過ぎて、感覚が無くなるくらいで、一番印象に残っています｣と明かした。

そんな巨勢君は現場のアイドルだったようで、岡田と広末が取り合いを繰り広げていたそうで、岡田が｢どっちが好きなの？｣と巨勢君に詰め寄ると、｢どっちも好きです｣と優等生な回答。すると岡田は｢二人で遊園地に行ったりしたよね｣とプライベートで遊んだことを明かし、それに対して巨勢君は｢広末さんは体を気遣ってくれて、湯たんぽをくれたりして。岡田さんは頼れるお兄さんで、親友のような存在です｣と語ると、岡田は意外だったのか｢あっそうなの！？親友だとは思ってなかった。ゴメン、ゴメン｣と平謝り。

ここで映画の内容にちなみ、｢明日が最期だとしたら・・・こんなことをやってみたかった！｣ということをそれぞれが発表。平川監督は｢タイムスリップしたい｣と少々ずるい答え。巨勢君は｢世界中の海で魚と泳ぎたい｣、広末は｢みんなでPARTY！！｣と回答し、鹿賀丈史は｢山の手線一周の旅｣と不思議な回答。その理由は「上京して35年、一度も山の手線に乗ったことがないんです。いつも車で移動か電車も新幹線くらいしか乗らないので、あと1日あるなら、移り変わった東京を眺めて死ぬのもいいかな」と驚きのコメント。

また、松井愛莉は｢食べたいものを食べまくる！｣と明かし、｢普段、モデルとして体系をキープしているので、好きなものを食べて、お腹いっぱいの幸せな気分で死にたいです。甘いものが好きなので、チョコとかたくさん食べたいです｣と本音を吐露した。そして岡田は｢スカイダイビング｣と回答し、｢スカイダイビング中に出来れば死にたい｣と明かすと監督から｢それ自殺ですね｣と突っ込まれ、｢難しい問題ですね｣と考え直した様子だった。

最後に映画を代表して岡田は｢僕自身好きな映画で、たくさんの方に世代を問わず観てもらいたい素敵な作品なので、よろしくお願いします｣と締めくくった。