特製みそ汁を振る舞われ、広末&滝藤も満面の笑み!「はなちゃんのみそ汁」製作発表会見(2014.12.04)
20代で乳がんを患い、結婚・出産を経て肺がんに転移という過酷な運命を背負った安武千恵さんが、明るい博多弁で綴った人気ブログ「早寝早起き玄米生活」を基に13万部のベストセラーとなった書籍を映画化する「はなちゃんのみそ汁」の製作発表会見が12月4日(木)に行われ、広末涼子、滝藤賢一、主題歌も担当する一青窈、阿久根知昭監督、そして原作者の安武信吾さんと娘のはなちゃんが登壇した。この日は、はなちゃんがカツオと昆布出汁から作った油揚げ、ワカメ、豆腐の入った“みそ汁”を登壇者に振る舞い、広末は「おいしいです。ホッとします」と笑顔を見せた。
がんの再発により余命わずかとなった千恵さんが、4歳の誕生日を迎えた娘のはなちゃんと、「毎日、おみそ汁をつくること」を約束。それは一人でも生きていける強い人間になって欲しいという千恵さんの願いによるもの。千恵さんが亡くなった後も、約束を守って“みそ汁”を作り続けるはなちゃんと、それを見守る父・信吾さんの姿が描き出される。なお、はなちゃん役は1000通を超える応募の中から、現在オーディションが行われている。
阿久根監督は「素晴らしいキャストの方々に集まっていただき、撮影が楽しみです。安武さんとは千恵さんの話をいつもしていて、よく彼女のことを知っているので、まだどこかに居るような気がしています。この映画は闘病記ではなく、夫婦、親子の成長する話だと思っています」と語り、安武さんも「昨夜、監督とプロデューサーと居酒屋に行ったんですが、ちょうど千恵が大好きだった『ハナミズキ』が流れはじめて、鳥肌が立ちました。ここにこうして居るのも天国の千恵が導いてくれたのかなと感じています」と感慨深げに語った。
現在、小学6年生になったはなちゃんは「この映画ができて、観てくれた人たちが台所に立って、みそ汁を作ってくれたら嬉しいです」と明かし、千恵さんが亡くなった5歳の時から作り続けているという特製みそ汁を振る舞った。「おいしい!」と口々に絶賛する登壇者の中でも滝藤は「うちの5歳の坊主は何もやってないね・・・」と感心しきりの様子で、おいしそうにみそ汁を飲み干した。
ドキュメンタリー番組ではなちゃんの姿を見ていたという広末は出演を快諾したと言い、「脚本を読ませていただき、たくさん笑い、泣きました。原作とも(24時間テレビで放送された)ドラマとも違う映画が出来上がる予感がしています。はなちゃんはもちろん、空にいるお母さんに笑い泣きしてもらえる映画になるよう、精一杯演じさせていただきます」と挨拶。夫の信吾さん役を演じる滝藤も「広末さんと、はなちゃん役の子と、素敵な家族を作ります!」と意気込みを見せた。
また、生前の千恵さんが「ハナミズキ」が大好きだったという縁もあり、今回、千恵さんの姉・詩穂さん役を演じるだけでなく、新たに主題歌を手掛ける一青は「はなちゃんのことを考えて寝て、勝手にイメージトレーニングをしています。はなちゃんとも色々お話しさせてもらって、はなちゃんと詩穂さんの目線でどんな曲にしようか考えています」と明かした。
また、安武さんは「映画を観て『あんな家族いいね』『家族の時間を大切にしたいね』と思ってもらえたら、きっと千恵も喜んでくれると思うし、生きていた証を映画を通じて残せると思う」と語り、広末と初対面したはなちゃんは「お母さんは広末さんみたいに、そんなに綺麗じゃないんだけど、笑顔が似ていると思います」と言って場内を笑わせた。そんなはなちゃんに広末は役作りの参考のため「お母さんの一番好きなところ」を聞いたが、答えは「ちょっと厳しいところ」という意外なものだった。
母から娘へ“みそ汁”が受け継がれるという物語に因み、親から受け継いだものを聞かれた広末は「食事は主菜、副菜、お椀物と視覚的に美しくすることを教えられました」と明かし、監督は「8歳の娘がいますが、包丁を持つと僕がワーワー行ってしまうので、なかなか千恵さんのようにはいかないです」と苦い顔。一青は「母が台所で歌を歌いながら作っていたので、楽しみながら料理するのは幸せの象徴だなと感じます」と語り、滝藤は「くやしいと思うこと。母に駆けっこでも何でも負けると『くやしいと思わないのか!』と言われ続けてきたので、僕も子供に言ってしまう。僕には原動力でした」と明かした。
公開情報 | 東京テアトル配給「はなちゃんのみそ汁」は2015年秋全国公開 公式サイト:http://hanamiso.jp |
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