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桃子という役に出逢えためぐり合わせに感動「ライアの祈り」完成報告会見(2014.12.17)

人生に臆病になっていたひとりの女性が、“縄文時代”に触れ、幸せのカタチを見出して踏み出していく姿を描いた森沢明夫原作“青森三部作”の完結編「ライアの祈り」が映画化され、12月17日(水)に完成報告会見が行われた。主演の鈴木杏樹をはじめ、宇梶剛士、武田梨奈、藤田弓子、黒川浩行監督、森沢明夫氏、製作者の川阪実由貴氏が登壇、鈴木は「素敵な作品、桃子という役柄に出逢えためぐり合わせに感動しています」と挨拶した。

青森県八戸市に転勤を機に引っ越してきた桃子は、店長として後輩に頼られ慕われる存在となっていたが、不幸な離婚のため心に深い傷を負って、前に進む勇気を持てずにいた。ある日、桃子は後輩の桜に誘われ、渋々参加した街コンパーティーで、あだ名が“クマゴロウ”という無精髭の考古学研究員、佐久間五朗と出会う。桃子は彼を見たとたん、子供の頃から見る太古の不思議な夢を思い出す。縄文時代が繋いだ心豊かな時間を共有しながらも、クマゴロウとの未来に踏み出せない桃子だったが・・・。

原作者の森沢氏に「キャステイングはイメージどおり、はまって嬉しかった」と言われた、桃子役の鈴木杏樹は「桃子の人生を通して、自分の人生も考えさせられた。森沢さんの込めた世界観が息づいていたらいいなと思います」と語り、恋に不器用な“クマゴロウ”を演じた宇梶剛士は「世の中、カリカリしている人が多い。こんなに日本人は冷たかったのかと悲しく感じることが少なくない。人間が人間と向き合うこと、人と人との繋がりを今の時代に是非、観て感じて欲しい。観た方が人に優しくしてみたいなと思って頂けたら」としみじみ語った。

物語の舞台は八戸市で、陸奥湊市場、蕪島神社、種差海岸大須賀浜、ハーモニカ横丁など多彩な場所でロケし、また、縄文時代の集落遺跡である是川一王寺遺跡や国宝の「合掌土偶」を擁する是川縄文館でもロケを敢行。

黒川監督も「遺跡も本物を使って、すべて本物で撮影できた。造りものではない本物の迫力を見て欲しい」と自信を窺わせ、鈴木は「土器のかけらを見せてもらい、ずっと前にそこで生きていた人たちが使っていたものに、今触れているということに感動し、命が繋がっていると感じた」と目を輝かせた。

縄文館では、鈴木と宇梶が“ガチャガチャ”をずっとやっていたのを見ているのが楽しかったと桜役の武田に暴露され、鈴木は「全種類集めようと必死でやりました」と苦笑い。武田は「杏樹さんは可愛がってくれました。撮影で合コンを経験できて楽しかった」と語った。

考古学一筋の“クマゴロウ”にちなみ、「今、拘っているものは?」の質問に、鈴木は「水泳、時間があればプールに通っています」。武田は「やっぱり瓦ですね。300枚以上割りました」。藤田は「映画ですが、寝る間が無くなるので今はお休みして、愛犬のブルドッグです」。宇梶は「僕は無趣味なんですが、『小説すばる』を読むのは毎日やっていますね。読み終わるとまた、いちから読んで」とそれぞれ答えた。

八戸でのロケは天候に恵まれ、青空続きだったそうだが、八戸の人たちも大変協力的で、温かく見守ってくれ、自分たちの街を心から愛しているというのが伝わってきたそうだ。

最後に市内の洋菓子店「アルバジョン」の松坂和治氏が特製の「土偶ケーキ」と共に登場。ケーキは公開と同時に販売されるそうだが、「私たちの映画です。青森市民全員で応援しています」と映画の完成を心から喜んでいた。

公開情報 アイエス・フィールド配給「ライアの祈り」は2015年初夏、青森を皮切りに全国公開
公式サイト:http://raianoinori.com/

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