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松岡錠司監督が常連客を演じるアングラ俳優たちを絶賛!「映画 深夜食堂」完成披露会見(2015.01.13)

ネオン輝く繁華街の路地裏で、夜も更けた頃に開く小さな食堂“めしや”を舞台に、訪れる客たちの悲喜こもごもを描き出す「映画 深夜食堂」の完成披露会見が1月13日(火)に行われ、松岡錠司監督、主演の小林薫をはじめ、常連客として登場する不破万作、綾田俊樹、光石研、安藤玉恵ら計12名が登壇した。TVドラマシリーズから“めしや”のマスター役を務めてきた小林は「常連客の皆さんが居心地のいい場所だと馴染んでくれていたからこそ、マスターとして存在できたし、お店の雰囲気が出せたと思う」と感慨深げに語った。

シリーズ累計240万部を記録する安倍夜郎の同名漫画を、2009年にTBSでTVドラマ化。深夜放送ながら“食ドラマ”の先駆けとしてブームを呼び、2011年からは第2部、昨年10月からは第3部が放送され人気を博した。ドラマシリーズも手がけた松岡監督は「見てのとおりアングラ俳優たちの集まりですが、心情あふれる彼らの姿勢が物語を奥行きのあるものにしたのは間違いない。ありがとうございました」とまるでお別れ会のような挨拶。

300坪の倉庫の中に新宿・繁華街の路地裏をそのまま切り取ったかのようなセットが作られたということで、シリーズを通してヤクザのゲンを演じてきた山中崇は「最初から出させていただいてるんですが、シーズン1では店の天井が低くて、カメラが入ると暑くて、店の外もちょっとしかセットが無かったのに、アミューズメントパークの一画のようになっていて感動しました」と明かした。

日常生活を見せないマスターも映画版ではその一端を見せるそうだが、小林は「洗濯ものを干すシーンがあって、カメラが引いていくとアパートから西新宿の高層ビルが見えるという風になっていて、撮影の時は何で天気待ちさせられてるんだろう?こんなに予算がないのに黒澤明の現場風でいいの?と思っていたんですが、映画ってこういうものだなと。役者を映しているけど、その先に繋がっていく新宿の街を撮っていることに気付きました」と語った。

また、「かもめ食堂」やNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」などで活躍するフードスタイリストの飯島奈美が作り出す料理も作品の魅力の一つということで、小林は「たらこを焼いたのとか、タコウィンナーとか、生姜の天ぷらとか大したものは出てこないんだけど、やたらうまかったりする。いつも当たり前のように温かいものを提供してくれて、こういう現場も意外と無くて、心がこもっていて、本当に美味しかった」とコメント。

ストリッパーのマリリンを演じた安藤玉恵も「飯島さんには手の中に魔法があって、レシピを教えてもらって作ってみても、同じ味にはならないんです」と語り、お茶漬けシスターズの一人を演じた小林麻子も「つまみ食いで豚汁をいただいたんですが、野菜の歯ざわりが良くて、素晴らしく美味しくて、感動しました」と絶賛した。

松岡監督は「ご覧になった方たちからは、寄り道の作品、雨宿りの作品などと言われていますが、小林さんが“問題のない作品”と言っていて『なるほど!』と思いました。なんでもない作品であることが魅力。肩の力を抜いて、最後まで楽しめる作品になっていると思います」と締めくくった。

公開情報 東映配給「映画 深夜食堂」は2015年1月31日(土)から全国公開
公式サイト:http://www.meshiya-movie.com/

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