昨年度のシナリオコンテストで大賞に選ばれた作品を基に製作される、青年海外協力隊を題材に人と人との絆の大切さを描いた｢クロスロード｣の製作発表が、1月26日（月）に行われ、EXILEの黒木啓司、渡辺大、フィリピンの“世界一有名なコスプレイヤー”として知られる日本映画初出演のアローディア、すずきじゅんいち監督が登壇、映画初主演となる黒木は｢等身大で出来る役、それをしっかりとぶつけていきたい｣と挨拶した。

カメラマンのアシスタントとして、日々雑用をこなしていた沢田は、先の見えない自分を変えようと青年海外協力隊に応募する。訓練所の合宿生活で強い意志を持つ羽村と出逢うが、ボランティア精神は偽善と考える彼は、事あるごとに羽村と対立していた。訓練所を卒業後、沢田はフィリピンのマニラの観光省に、羽村は山岳地帯の農村に派遣される。2年間の任期を終え、カメラマンとして多忙な生活を送っていた沢田の元に、岩手で大震災の復興活動を行っている羽村を取材する仕事が舞い込み、8年ぶりに二人は再会することになるのだった。

沢田役の黒木はEXILEとして、震災の復興活動やボランティア活動も行っており、「皆を笑顔に日本を元気にしようとやっていて、そこで感じたものを役を通して出していければ｣と語り、羽村役の渡辺はボランティアの経験はないが｢仙台で撮影をしたことがあり、たまたま知り合った街の人に苦労したことなどを聞いて、彼らの心情を思って、この出会いは大事にしたいと思った｣とコメント。

青年海外協力隊での活動経験があり、OBであるすずき監督は｢青年海外協力隊というと真面目という感じを思われるが、僕みたいないい加減な人間もやっていますし｣と笑いを誘い、「真面目なだけでなく、自然体な人たちの集まり。最近は海外に出る人が少なくなっているというけど、寒いところや暑いところの途上国に面白そうだから行きたいという、シンプルな人間の根源的なところから発している人が多い。途上国のために働くのだけど、逆に途上国に協力させてもらい、教育させてもらっている。それが協力隊の良さで、日本により豊かな若者が増えていくと思っているので、協力隊をそういう意味で非常に評価している」と熱く語った。

沢田にボランティアとは何か？と自問自答するきっかけを作るフィリピン女性アンジェラを演じるアローディアは「日本とフィリピンの関係が親密になることを願って出演した」と挨拶。

4月からフィリピンでの撮影が始まるが、黒木や渡辺にも｢日本人は親切で、私が日本を楽しんでいるので、二人にも同じように楽しんで欲しい。時間があったらビーチにもご一緒したいし｣と微笑んだ。渡辺は｢台本を読むかぎり、僕は山岳で二人はマニラだから、僕だけひとりっぽい｣と残念そう。｢現地の人とのコミュニケーションが多いので、英語のセリフも多い、英語でナチュラルな芝居が出来れば｣と抱負を語った。

また、今日欠席の沢田と羽村の仲を取り持つ野村志穂隊員役の日本映画初出演となるTAOから｢台本を読んで、すぐにやりたい！と思いました。私自身、東北の大震災の際に自分で発起してチャリティ活動をした時、難しさに何度も挫折しそうになりました。そういった中で海外へ渡って実行している若者たちがいる。彼ら海外青年協力隊の活動を、この映画をきっかけにもっと多くの人に知ってもらえたら嬉しい｣とコメントが寄せられた。