祈りの象徴である折鶴のセットでヒット祈願!高良健吾主演「悼む人」完成披露会見(2015.01.26)
天童荒太が7年の歳月を費やして書き上げ、第140回直木賞を受賞した70万部を超えるベストセラー小説の映画化「悼む人」の完成披露会見が1月26日(月)に行われた。12月の報告会見で、これまでの俳優生活10年は「この役のための準備だった」と明かした主演の高良健吾は改めて「10年目ということで力を入れたくなったし、精一杯しがみつくような現場でした。堤(監督)組も初めての経験が多くて、これからも試してみたいと思うことも色々あって、特別な作品に参加できて幸せでした」と挨拶した。
続いて、夫を殺した罪に苛まれ続けながら、高良演じる“悼む人”こと静人と共に旅を続ける倖世を演じた石田ゆり子は「重たくて、自分の想像力では追いつかないほど辛い経験をした女性を演じるということで、自分を捨てて作品に集中することしか出来ませんでした。堤組と素晴らしいキャストの皆さんの中で、私にとって宝物の映画ができました。沢山の方に観ていただければと思います」と感慨深げに挨拶。
舞台化に続いての映画化ということで、本作への想いは人一倍と言える堤幸彦監督は「持てる力を使って、1カット、1カット丹精込めて取り組んだ作品です。これまで40本くらい映画を撮ってきましたが、今年は還暦を迎えるので、ぐるっと回ってきたという意味でも初心に返りました。どこかしら共感できると思うので、皆さんのそばに居られるような作品になっていると思います」と語った。
また、静人の動向を追い続ける週刊誌記者を演じた椎名桔平は「男女の愛、母と娘の愛、兄妹の愛、父と息子の愛、いろんな愛が詰まった作品です。2月14日の公開ということで、女性はバレンタインのチョコレートと一緒にこの映画のチケットを添えて、好きな人と観ていただければ」としっかりPR。
最近感じたささやかな幸せについて聞かれた高良は「今日、朝からずっと取材が続いているので、スタッフさんが昼にうなぎ弁当を出してくれました。お昼にうなぎが出たことなんてなかったので幸せです」とニンマリ。石田も「この映画のキャンペーンでいろんな所を巡ってるんですが、名古屋で出たひつまぶしが本当に美味しくて幸せでした」と明かすと、貫地谷しほりも「私も昨日、うなぎを食べました!」とまたも“うなぎトーク”かと思いきや「年末の忘年会から新年会へと食べる機会が多かったんですが、今日『痩せた?』と言われて幸せでした」と言って場内を笑わせた。
原作は2001年のアメリカ同時多発テロ及びその報復攻撃で多くの死者が出たことを発端に書かれたということだが、未だに世界各地でテロ攻撃が続く現状を踏まえてか、大竹しのぶは「気楽な映画の方が観ていても楽だけど、こういう時だからこそ命に真剣に向き合いたいし、特に若い人に観てもらいたい」と気持ちを吐露し、「新藤兼人監督がお母さんのことが大好きだったという話をされていて、お母さんに愛されたことが微粒子になって体に残っているとおっしゃってて素敵だなと思ったんです。この映画でも静人が悼むことで、それが微粒子になって、いろんな人の体に入っていけばいい」と明かした。
なお、この日の会見は、世界平和の象徴であり、祈りの象徴でもある折鶴の巨大セットで行われ、登壇者もそれぞれ鶴を折って見せた。どんな祈りを込めて折っているのか聞かれた石田は「高良君にずっと清らかでいて欲しいと祈っています」と答え、高良も「できれば清く生きていきたいです(笑)」と返し、椎名はいつの間にか完成形の鶴が手元に!「さっき折ってもらいました・・・」とズルしつつも、それぞれが折鶴を手に映画のヒットを祈願した。
公開情報 | 東映配給「悼む人」は2015年2月14日(土)全国公開 公式サイト:http://www.itamu.jp/ |
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