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2世がコンプレックスだった安藤サクラ「家族を超えられた」と実感!「第88回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式(2015.02.09)

「第88回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が2月7日(土)に行われ、『0.5ミリ』『百円の恋』により主演女優賞を受賞した安藤サクラは「この2作品ですごく大きなことに気づくことができ、新しい体験や経験をさせて頂いた大切な作品での受賞はとても嬉しいです」と喜びを語り、「演じた役柄はとても生命力のある女性で、自分の生命力を吸い取られた感じで枯れていたんですが、劇場で映画を見てくださった方の『素敵な力を頂いた』という言葉で元気になりました」と感謝を述べた。

『0.5ミリ』では姉である安藤桃子が監督を、エグゼクティブ・プロデューサーを父で俳優の奥田瑛二が務めていたことから「自分が2世ということがコンプレックスでしたが、スタッフもキャストも家族だらけという現場で、やっと家族を超えられた気がします。それは他の映画を作るチームも同じで、本当の家族の愛情と、どの現場も変わらないと思えるようになりました」と女優としての成長を覗かせた。

『そこのみにて光輝く』が日本映画作品賞に選ばれ、日本映画監督賞、読者選出日本映画監督賞も獲得した呉美保監督は「キネマ旬報さんでこんなんに沢山の賞を頂き、一生ないと思うくらい奇跡のご褒美を頂いたと思っております。一番初めに企画を立て、私に声をかけてくれ、時には議論を交わしながら一緒に戦かってくれた星野秀樹プロデューサーに感謝したいと思います」と力強くトロフィーを握りしめた。

また、本作と『白ゆき姫殺人事件』で主演男優賞を受賞した綾野剛は「この作品(『そこのみにて光輝く』)が沢山の賞を頂きましたが、このままだと作品に敗北する気でいます。次回作に意欲を燃やすきっかけを改めて与えられたと思っています」と今後の活動に意気込みを見せ、「いかに自分は高が知れているのかを知らしめられ、自分が底辺まで下がってきた時にこうやって光を当ててくれて・・・非常にドSな作品ですね」と本作を評した。

『紙の月』により助演女優賞を受賞した小林聡美は「今年は若い俳優さんたちの賞になり、私が一番上なんだなと・・・ぼんやりしているうちにこんなに時が過ぎるんだなと思いました。今後も皆様の感動を呼び起こせるような映画を作れるよう頑張っていきたいです」と挨拶。

同じく『紙の月』や『ぼくたちの家族』『海を感じる時』他、昨年は多数の作品に出演し、助演男優賞を受賞した池松壮亮は、司会者に「(受賞の喜びを)一言お願いしますと言うと、池松さんの場合は本当に一言で終わってしまうので、今の気持ちを一定量お話しください」と言われて苦笑い。照れながらも「この賞まで導いてくれた作品や、そこにいた人たちとの出会いが財産です。今まで関わった作品、観た作品にも感謝しています。ありがとうございました」と述べ、司会者から「OKです!」と合格をもらい、またも苦笑いを浮かべて会場を沸かせた。

新人女優賞を受賞した門脇麦は「いろいろな作品に出会えるよう仕事を続け、作品のために何か1ミリでも貢献できるように、自分の全力を作品に注ぎ込み続けようと今、強く思っています」と述べ、両親がいるであろう会場を見渡し「いろんな複雑な思いもありながら、いつも作品を見て応援してくれるお父さん、お母さん、ありがとうございます。踏ん張れるところまで踏ん張ってみようと思いますので、これからもよろしくお願いします」と感謝した。

新人男優賞を受賞した東出昌大は「上を見ればすごい諸先輩方がおられ、僕より下の年代の方々でも素晴らしい輝きを持った役者さんが沢山いて脅威も感じますし、そういった競争社会の中で今後も立ち続けなければならないと毎日思っています。自分自身にもっと貪欲になって、役者という仕事を続けていけたらなと思います」と決意を語った。

また、外国映画監督賞と読者選出外国映画監督賞をW受賞した『ジャージー・ボーイズ』のクリント・イーストウッド監督からは「素晴らしい歴史のある映画誌で、本作を再度認めて頂けたということは、非常に名誉なことです。私たちの映画を愛し続けてくださる日本のファンの皆様に心からの感謝を申し上げると共に、次回作をお見せできることを楽しみにしています」とのコメントが寄せられた。

【第88回キネマ旬報ベスト・テン受賞者】
▽日本映画作品賞=「そこのみにて光輝く」
▽外国映画作品賞=「ジャージー・ボーイズ」
▽文化映画作品賞=「鳥の道を越えて」
▽日本映画監督賞/読者選出日本映画監督賞=呉美保(「そこのみにて光輝く」)
▽外国映画監督賞/読者選出外国映画監督賞=クリント・イーストウッド(「ジャージー・ボーイズ」)
▽日本映画脚本賞=高田亮(「そこのみにて光輝く」)
▽主演女優賞=安藤サクラ(「0.5ミリ」「百円の恋」)
▽主演男優賞=綾野剛(「そこのみにて光輝く」「白ゆき姫殺人事件」)
▽助演女優賞=小林聡美(「紙の月」)
▽助演男優賞=池松壮亮(「ぼくたちの家族」「海を感じる時」「紙の月」他)
▽新人女優賞=門脇麦(「愛の渦」「闇金ウシジマくん Part2」「シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸」)
▽新人男優賞=東出昌大(「寄生獣」「クローズEXPLODE」「アオハライド」他)
▽キネマ旬報読者賞=細野晴臣(キネマ旬報「映画を聴きましょう」の連載)

情報 公式サイト:http://www.kinenote.com/main/kinejun_best10/2014/award/

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