来年の司会は安藤サクラと浅野忠信でチェリーブロッサムとミカンの袋?「第57回ブルーリボン賞」授賞式(2015.02.13)
東京映画記者会が主催する「第57回ブルーリボン賞」の授賞式が2月12日(木)に行われ、司会は昨年度の主演男優賞を受賞した高良健吾(「横道世之介」)と主演女優賞を受賞した貫地谷しほり(「くちづけ」)が務めた。高良は新作の「悼む人」でも兄妹役で共演している貫地谷に、初の司会ながら「堂々としている」と語りかけると、「根拠の無い自信はあったんですが、2、3日前から緊張し始めて、でも今は不思議と大丈夫です!」と笑い、高良も「わかります!」と緊張がほどけた様子で授賞式はスタートした。
「超高速!参勤交代」で作品賞を受賞した本木克英監督は「賞とは無縁の娯楽映画ばかり撮ってきたので、とても信じられない気持ちでしたが、今ようやく実感しています。この賞を受賞したからといって調子に乗ることなく、お客様を大事にし、あらゆる世代に楽しんでもらえる娯楽映画を撮り続けていきたいです」と決意を新たにした。また、「作品賞だと皆で喜べるので、また集まってお酒が飲めます!」と笑顔で退場しようとすると、司会の2人から「後ろのお席へお願いします!」と慌てて促され、照れ笑いする場面も。
外国作品賞受賞の「ジャージー・ボーイズ」を配給したワーナー・ブラザースの出目宏氏はイーストウッド監督からの感謝のメッセージを代読し、「監督は84歳なんですが、新作の『アメリカン・スナイパー』では自身の作品の興収新記録を打ちたて、戦争映画では『プライベート・ライアン』の記録を3週間で塗り替えています。年を重ねるごとに面白い、いい映画を作る監督とワーナー・ブラザースを今後とも宜しくお願いします」と宣伝マンらしく、日本でも2月21日から公開される新作をしっかりとアピールした。
「そこのみにて光輝く」で監督賞を受賞した呉美保監督は「映画は一人では作れませんので、皆で貰った賞です。こういう評価をいただくと、続けなくちゃいけない、撮り続けたいとすごく思います」と気持ちを吐露。次回作「きみはいい子」に主演する高良から「皆さん気付かれているかもしれないんですが、監督から素敵なご報告が・・・」と話を振られると、お腹をさすりながら「できちゃった結婚しました!」とおめでたを発表。高良も「来年は監督と僕と子どもで(授賞式に)戻って来られたらいいですね」と笑顔で返した。
一昨年に続き主演女優賞を受賞した安藤サクラは「『0.5ミリ』では津川さんはじめ大先輩の方々から生き様や呼吸の仕方を学び、『百円の恋』では肉体と向き合って人間とはどういう生物か知りました。この2つから学んだことをちゃんと意識していきたいです」と独特の表現で感謝。昨年は滝川クリステルを意識して授賞式の司会に臨んでいたということだったが、来年については「滝川チェリーブロッサムでいこうかな」と自身の名前を英語に置き換えて抱負を明かした。
「私の男」で主演男優賞を受賞した浅野忠信は「映画記者の方々が観て、選んで下さったということが嬉しい。情熱を傾けられるものが・・・すみません」と涙で声を詰まらせながらも「役者しかなかったので、こういう賞を貰えたのは本当に嬉しいです」と思いもひとしおの様子。安藤と共に務める来年の司会については、「チェリーブロッサムに対抗して、考えておかないと。ミカンの袋でもかぶって出ようかな」と、先日、自身のInstagramで公開した衝撃の姿を引き合いに出し、会場から笑いを誘っていた。
助演女優賞を受賞した小林聡美は「昔から撮影が終わって(自分の演技に)落ち込むんですが、今回の『紙の月』でも『わー恐い顔だな、ブスだな』なんて落ち込んで。どういうわけか賞をいただき、映画の神様のお戯れに感謝しております」と端的に気持ちを表現。また、この1年で8本の映画に出演し、3作品で助演男優賞を受賞した池松壮亮は「僕だけ合わせ技みたいですみません」と恐縮しきり。貫地谷から「ベッドシーンでの脱ぎっぷりがセクシーでした」と切り出され、高良からも「前ばりは目を閉じてても付けられるとか」と語りかけられると「今日も付けてます・・・」と謎の一言。
新人賞を受賞した小芝風花は「お正月にノミネートを知って、母とお年玉をもらったみたいだねと話していたんですが、新人賞が決まった時には、お年玉どころか宝くじに当たったみたいだね!と大喜びしました」とフレッシュなコメント。主演した『魔女の宅急便』にちなんで「魔法が使えたら何をしたい?」と聞かれると、「食べることが大好きなんですが、太りやすいので、どれだけ食べても太らない体になりたいです!」と明かし、貫地谷からも「いいですねー!」と共感を得ていた。
【受賞結果】
▽作品賞=「超高速!参勤交代」(本木克英監督)
▽監督賞=呉美保(「そこのみにて光輝く」)
▽主演男優賞=浅野忠信(「私の男」)
▽主演女優賞=安藤サクラ(「0.5ミリ」「百円の恋」)
▽助演男優賞=池松壮亮(「紙の月」「海を感じる時」「ぼくたちの家族」)
▽助演女優賞=小林聡美(「紙の月」)
▽新人賞=小芝風花(「魔女の宅急便」)
▽外国作品賞=「ジャージー・ボーイズ」(クリント・イーストウッド監督)