俳優の別所哲也が代表を務める米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭｢ショートショート フィルムフェスティバル＆アジア2015｣（略称：SSFF＆ASIA）のメディア懇親会が4月21日（火）に行われた。17回目を迎える今年は、日本記念日協会により｢ショートフィルムの日｣に認定されている6月4日から6月15日まで、東京と横浜を中心に開催。世界110以上の国と地域から集まった約5000本の作品の中から、選りすぐりの約200本を一挙上映する（一部の有料イベントを除き、上映は無料）。

国際短編映画祭は未来に羽ばたく映像作家の登竜門とされ、SSFF＆ASIAは1999年に原宿で誕生し、初年度はジョージ・ルーカス監督のショートフィルム6作品を上映して注目を集めた。2004年には米国アカデミー賞公認映画祭となり、ロサンゼルス、マレーシア、メキシコなど海外でも展開。その幅広いネットワークを活かし、日本作品を海外へ向けて発信する活動も積極的に行っている。

昨年の｢カンヌ国際映画祭｣シネフォンダシオン部門（学生映画を対象）では、SSFF＆ASIA2012でグランプリを受賞した平柳敦子監督が主演に桃井かおりを迎えた｢Oh！Lucy！｣が日本人初の2位という快挙を果たした。多くの巨匠たちが、その歩みをショートフィルムから始めたように、SSFF＆ASIAは世界に羽ばたく若きクリエイターを応援している。

また、本映画祭のオフィシャルコンペティション部門でグランプリに選ばれると、｢米国アカデミー賞｣短編部門のノミネート選考対象作品となり、｢音楽｣｢環境｣｢CGアニメーション｣など6つの部門とその他の特別プログラムで構成されている。本年度のテーマは｢Cinematic Moment〜映画になる瞬間〜｣で、ひとつひとつ輝く瞬間が紡ぎ出す映画の世界、その一瞬をクローズアップする。

注目の上映作品としては、長編映画｢Mommy／マミー｣が昨年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞するなど、俳優だけでなく監督としても手腕を発揮するグザヴィエ・ドランが15歳の時に出演した｢鏡｣や、12月公開の｢スター・ウォーズ／フォースの覚醒｣のヒロイン、デイジー・リドリーの主演作｢ブルー・シーズン｣。そして、エディ・レッドメインら英国人俳優44人が出演した｢ハリウッド・ポートフォリオ｣など。更に初となる親子向けの｢チルドレンプログラム｣、戦後70年の節目に“平和に生きること”の意味について考える｢戦争と生きる力 プログラム supported by 赤十字｣なども設けられている。

懇親会では、ショートショート実行委員会の高橋秀幸PRマネージャーから映画祭の説明やこれまでの歩み、今年のラインナップが紹介され、ショートフィルム3本が上映された。そして、映画祭代表である別所哲也と、昨年に引き続きアンバサダーを務める映画コメンテーターのLiLiCoが登壇。別所は｢99年に始めた当初は、日本では『何それ？アメリカンショートヘアのこと？』とか、『星新一のショートショートと関係あるの？』など言われ、まずショートフィルムを認知していただくことから始めました｣と一苦労だった様子。

また、そんな時にロバート・レッドフォードが主催するサンダンス映画祭へ赴いたことを明かし、｢まだそれほど有名では無かったベン・アフレックやクリスティーナ・リッチ、スパイク・リーたちが集っていて、映画祭って有名、無名に関わらず人々が集まる場所なんだと感じました。そして映画に価値を与えていく場所だと思いました。ショートショート フィルムフェスティバルも今年で17歳になりましたが、20歳に向けて、アンバサダーのLiLiCoさんと共に、これからも世界に向けて発信していきます｣と語った。

そしてLiLiCoは｢売れてないベン・アフレックに会ったんですか？！それに本当にアメリカンショートヘアと関係あるとか思った人がいたの？私もボケでネコを飼わなきゃいけないかと思っちゃった（笑）｣と驚きの表情。また、｢最近は俳優の皆さんが『こういう短編を作ったんだけど』と発表するようになって、業界の中でも盛り上がっているように感じます。私も17歳の時に日本へ行こうと決めたので、（17年目の）ここが勝負どころ。ぐんぐんショートフィルムを押し出していきます｣とアンバサダーとしての使命感をのぞかせた。

さらにLiLiCoは｢近頃は家族のことより、別所さんのことが気になるんです。今日もシャワーを浴びながら別所さんのことを考えていました｣と告白。困惑気味の別所を気にすることなくLiLiCoは｢私の今年の目標は、動員数を昨年の倍にすることです！今年は『チルドレンプログラム』もあって、ショートフィルムだと子供たちも長い時間我慢する必要もないし、そこから映画を好きになってもらって、楽しさを発見してもらえたら嬉しいです！｣と並々ならぬ意欲を見せた。

（Hollywood Portrait_Eddie Redmayne （c）Jason Bell）