オープニング作品は園子温監督の独立プロ第1回作品「ひそひそ星」に決定!「第16回東京フィルメックス」(2015.10.07)
11月21日から29日まで有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇で開催される「第16回東京フィルメックス」のラインナップ発表会見が10月7日(水)に行われた。オープニング作品は、「第40回トロント国際映画祭」で最優秀アジア映画賞(NETPAC賞)を受賞した園子温監督最新作「ひそひそ星」に決定し、今年はTOHOシネマズ日劇1の大スクリーンで映画祭の開幕を飾る。そしてクロージング作品は、ジャ・ジャンクー監督が過去から未来に亘り急激に発展する中国社会で力強く生きる女性の半生を描き出した「山河故人(原題)」が上映される。
コンペティション部門の審査委員長は、韓国から釜山映画祭ディレクターのイ・ヨンガン氏に決定し、「今回が初参加ですが、私にとっては既に旧知の親友のような映画祭ですし、有意義で楽しい日々を過ごせることを期待しています」とコメントを寄せている。審査員は、台湾から女優で映画監督のシルヴィア・チャン氏、日本から監督の塩田明彦氏、同じく日本から映画評論家・字幕翻訳家の齊藤敦子氏、フランスからアド・ヴィタム買付・編成担当のグレゴリー・ガジョス氏が務める。シルヴィア・チャン氏は、自身が監督した「念念」が特別招待作品として出品されている他、出演作も2本上映される。
コンペティション部門は全10作品のうち5本が東アジア圏の作品が占めているが、初めてネパールの映画「黒い雌鶏」(ヴェネチア映画祭批評家週間最優秀賞受賞作)が出品されている。長編監督デビュー作は3本、フィルメックスが映画分野における人材育成事業として行っている「タレンツ・トーキョー」の修了生による作品も1本上映される。なお、最優秀作品賞と審査員特別賞は、11月28日に行われる授賞式で発表される。
特別招待作品としては、ジャファル・パナヒ監督が今年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「タクシー」や、「君さえいれば 金枝玉葉」「ラヴソング」等で知られるピーター・チャン監督最新作「最愛の子」、審査員も務める塩田監督がウェブサイトで公開した短編2本「約束」と「昼も夜も」などを上映。特集上映としては、台湾のホウ・シャオシェン監督とツァイ・ミンリャン監督の企画が組まれ、シャオシェン監督は「非情城市」をはじめとする初期から中期にかけての代表作3本、ミンリャン監督は日本初上映の短編などを含む9本の上映が予定されている。
オープニング作品に決定した「ひそひそ星」の園子温監督も登壇し、「60年代から70年代は大島監督や若松監督が独立プロダクションで自主映画を作る活動が盛んでしたが、新藤監督以降はなかなかそういった活動が無くなっています。この映画は僕が自分のプロダクションを作って製作した第1回目の作品です。毎年、1本ずつ作っていこうと思っています」と今後の展望を明かした。
また、作品については「トロント映画祭ではミニマル・サイファイ・ムービーと言われたんですが、福島の無人区域を使って、未だに仮設住宅での生活を余儀無くされている方たちにも出演してもらったSF映画です。最優秀アジア映画賞をいただいて、良いスタートが切れた作品を、フィルメックスでも日劇という大きな小屋を使って皆さんに観ていただけるということで、独立プロとして素晴らしい一歩を踏み出せるのは名誉であり幸福です」と語った。
さらに、今年のフィルメックスのポスタービジュアルを飾っているピエール・エテックス監督の特集上映も行われ、日本初上映となる2作品が上映される。ジャック・タチの創作活動に貢献を果たしたとされるエテックスの多彩な才能は、これまで日本では知られていなかったが、65年製作の「ヨーヨー」と69年製作の「大恋愛」は、2007年と2010年にそれぞれデジタル修復され、カンヌ国際映画祭のクラシック部門で好評を博した作品でもある。
この他、連動上映として「松竹120周年祭」が11月21日から27日まで東劇で開催される他、「フレンチタッチ・コメディ!」が11月から12月にかけてアンスティチュ・フランセ東京で開催される。なお、チケット販売は今年から「ticket board」に変わり、前売券(早期早割1000円、通常前売1300円)は11月3日から販売が開始される。
開催情報 | 2015年11月21日(土)〜11月29日(日)まで有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇で開催 公式サイト:http://filmex.net/2015/ |
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