本田翼の天真爛漫さに佐藤浩市が思わず・・・?!「起終点駅 ターミナル」完成会見(2015.10.08)
第149回直木賞を受賞した桜木紫乃が2012年に発表した6作からなる短編集の表題作を映画化した「起終点駅 ターミナル」の完成会見が10月8日(木)に行われ、佐藤浩市、本田翼、中村獅童、和田正人、篠原哲雄監督が登壇。誰にも裁いてもらうことのできない罪を抱えて生きる弁護士・鷲田完治を演じた佐藤は「人は自分の勝手な想いの中で傷付き、また人に救われるという繰り返しで、そういうことを描いた作品」と語り、篠原監督も「最果ての地、釧路へ男がやって来て、去っていくという、地味かもしれませんが、最終的に清々しい気持ちになっていただける作品になりました」と挨拶した。
本作は、愛を失い、心を閉ざし、立ち止まっていた男と女が出会い、孤独を分かち合い、そして再びそれぞれの人生の一歩を歩きはじめる感動作。10月22日から開催される「第28回東京国際映画祭」のクロージング作品にも決定している。原作を読んで佐藤は「短編なので、映画的に膨らみを持たせられると思いましたし、欠落のある人々が互いに触れ合い、埋め合っていくという原作の良さを壊さないよう、監督と相談しながら映画を作りあげました」と述懐。
篠原監督も「罪を犯し、誰からも罰せられず、自分を罰していく男が、どのように再生していくかを、映画でどう膨らませていけるか、皆さんと話し合いながら作ることができました」と追随。また、完治との出会により新たな人生に希望を見出していくヒロイン・椎名敦子を演じた本田は「冒頭で佐藤さん演じる完治さんと尾野真千子さん演じる冴子さんの衝撃的なシーンがあって、どう展開して行くのだろうとドキドキしながら台本を読みました。最後には『あぁ、こういう風になるんだ』と、じんわりと温かいものを感じました」とコメント。
ヤクザの二代目組長ながら完治と不思議な関係を築く大下一龍を演じた中村は「地味なお話だな(笑)と思いましたが、そこにやりがいを感じました。古き良き時代の日本映画の匂いがして、参加できることが楽しみでした」と明かし、完治の25年前に別れた息子の友人であり、新米の判事補・森山卓士を演じた和田は「終着駅は始発駅になるという言葉を聞いて、この作品が自分にとって俳優としての始発駅になればいいなと思いました。登場人物たちの生きてきた軌跡、儚さや切なさ、北海道の美しさを実感し、演じるというより、そこに溶け込みたいと感じました」と振り返った。
また、天真爛漫なイメージのある本田が孤独な女性を演じるということで、佐藤は一抹の不安を抱えていたようで、「プロデューサーに『おいおい、大丈夫か?』と(笑)。でも、心の傷というのは、一枚、一枚、服を脱いでいかないと見えてこないようなものなので、彼女自身が役柄を咀嚼して敦子になってくれて良かった!皆さん、安心して下さい!」と太鼓判を押し、本田も「いやぁ、安心しました。こういう役は初めてで、女優として生きていく上で重要な作品になりました。佐藤さんと2人芝居ができるチャンスをいただけたのも嬉しかったです!」と笑顔で応えた。
そんな2人を見ていた篠原監督は「本田さんの物怖じしない部分に、浩市さんも触発されていたようで良かった」と語るも、佐藤は「顔のアップのシーンを撮る前に、本田さんがヘロヘロしていたので、『きちんとしろ!』と言ったら、『えー、だってぇ』と返してきて・・・。実際、一生懸命演じているので、緊張感を見せないのが今の子たちなんだと気付きました」と明かし、本田も「できるだけ緊張しないように心掛けると、ヘラヘラしているように見えてしまうみたいで、申し訳ありません。でも絶対に『えー、だってぇ』なんて言ってません!」と返し、笑いを誘っていた。
公開情報 | 東映配給「起終点駅 ターミナル」は2015年11月7日(土)全国公開 公式サイト:http://www.terminal-movie.com/ |
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