日本公開は両親やお世話になった人へのギフト「Maiko ふたたびの白鳥」記者会見(2015.11.30)
15歳で親元を離れ、ロンドンのロイヤルバレエスクールの留学を経て、99年にノルウェー国立バレエ団に入団。05年に東洋人初のプリンシパルとなった西野麻衣子のバレエドキュメンタリー「Maiko ふたたびの白鳥」の特別記者会見が11月30日(月)にノルウェー王国大使館で行われ、西野麻衣子、母の西野衣津栄、スノーフリッド・B・エムテルードノルウェー王国大使館参事官が登壇し、バレリーナとして、母親としてのノルウェーでの生活を語った。
子供が欲しい気持ちとキャリアの間で心が揺れる中、予期せず妊娠、そして出産を経た麻衣子はふたたびプリンシパルとして復帰しようとする。しかも彼女が復帰作として選んだ作品はプリマデビューを飾ったクラシックバレエでも屈指の難役である「白鳥の湖」。周囲が“不可能ではないが、相当タフな試みだ”とい言う中、1人2役を踊り切るまでを追ったドキュメンタリー。
アーリン・リーメスタ大使から「麻衣子さんはノルウェーの国立バレエ団にこれまで大変大きく寄与され、ノルウェーのバレエ界にとって、色んな刺激を与えてこられました。日本での公開を嬉しく思います」と挨拶。日本で自身の映画が公開されることに対して西田は「とても嬉しいのと同時に、どういうふうに日本の方は私を思うのかなと色んな気持ちがあります。今回の日本の公開は両親とお世話になった先生方の恩返しとして素晴らしいギフトになったと思います」とコメント。また母の衣津栄さんも「色んな友達、ご近所の方、お世話になった先生方に麻衣子の事を知っていただけるということはとても幸せに思います」とコメントした。
本作はバレリーナとしての西田を描いただけではなく、母親としての育児、カムバックを果たす西田の姿も描かれており、妊娠中の肉体面のバランスの取り方を聞かれた西田は「トレーニングはとても大変でした。でもまた違うエネルギーが湧いてきて、またバレエ専門トレーナーやドクターそしてカムバックという私と同じ夢を持った監督が協力的だったのでうまくできたと思います」と語った。
またノルウェーの男性が育児を積極的に行うライフスタイルや社会について、エムテルード参事官は「男性の育児休暇が当たり前の国。もし取らなかったら、むしろ悪い印象を持たれるくらい」と説明し、ノルウェーでの生活でバレリーナとして、個人的な面で良かった点と大変な点を聞かれた西田も「男女平等の国で、国が親になることをサポートしてくれるので、男性は育休を取らなければいけない。ノルウェーだから主人も休暇がとれて、復帰できるという自信は主人からかなりいただきました。大変なのはとても寒いのと物価が高い」と語った。
15歳の若さで娘を海外に送り出した時の気持ちを聞かれた母の衣津栄さんは「始めて麻衣子がバレエを踊った時に、この子がバレエを踊るために生まれてきたと感じていたので、世間のお母様とは違うけど、さみしい気持ちはありましたが彼女をとても信頼してたので、この子は世界に羽ばたくバレリーナになってほしいという使命感で送りだしました」と明かした。
本作のオセ・スベンハイム・ドリブネス監督も出産を控える中、ママ同士での会話はありましたか?との質問に西田は「ママになることでキャリアの影響が不安だった。でも私のカムバックを見て自分にも何かできるのではないかという気持ちがしたと監督から聞いてとても嬉しく思いました。これからも監督と出演者ではなく、ママ友達として仲良くしたいです」と語った。
公開情報 | ハピネット/ミモザフィルムズ配給「Maiko ふたたびの白鳥」2016年2月20日ヒューマントラスト有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次公開 公式サイト:http://www.maiko-movie.com/ |
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