山田洋次監督から「先生」と呼ばれる蒼井優、その理由は・・・!「家族はつらいよ」完成報告会見(2016.01.19)
「男はつらいよ」シリーズ終了から20年ぶりに山田洋次監督が手掛けた喜劇「家族はつらいよ」の完成報告会見が1月19日(火)に行われ、橋爪功、吉行和子、西村雅彦、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優、山田洋次監督が登壇した。撮影から1年以上が経つということもあり、山田監督は「久しぶりに家族の皆さんにお会いできて幸せな気持ち。一昨年の秋に出来た作品なんだけれども、ついこの前出来て、封切が迫っているみたいな気分でとっても嬉しい。観客も大笑いして観てくれると思っています」と自信をのぞかせた。
2013年公開の「東京家族」に出演したキャスト8名と山田監督の親睦の中から生まれた本作は、「この家族で喜劇を作りたい」という監督の願いから実現。結婚50年を迎えようとする夫婦の“熟年離婚”騒動に慌てる子供たちが家族会議を開くものの、それぞれの不満が噴出し、事態は思わぬ局面を迎える。
離婚を切り出される平田周造を演じた橋爪は「待ち遠しかったんですが、この後の試写会は怖くて観客席に座れません。監督は自信満々なので、そういう心境になりたい」と戦々恐々しつつ、「『家族はつらいよ』という題名を聞いた時には、キャスト一同『本当かよ!』とビックリしました」と明かした。周造の妻・富子を演じた吉行は「『東京家族』では本当にいい奥さんでしたが、今度は困ったなぁという感じの奥さんで、やってる本人は楽しくて楽しくて、橋爪さんの顔を見ると笑っちゃいそうになる」とチラリと横を見ると、橋爪は「どういうこと!?」と困った表情を見せた。
平田家の長女・成子を演じた中嶋は「喜劇にはあまり出たことがなかったので、表現を大きくすればいいかと思ったんですが、監督から『真剣に生きていればいい。大真面目にだよ』と言われて、ありがたいお言葉でした」と役柄に落ち着いた様子。その夫・泰蔵を演じた林家は「先日、母と嫁と戻って来た姉と試写室で観たんですが、大笑いして、ちょっぴり心が温かくなったと言ってくれました。母からは『こういういい映画に出てくれて、親孝行してくれたね』と言われたんですが、『海老名家もつらいね』と。これはかなりリアルな言葉だと思っています」と言って笑いを誘った。
次男の婚約者・憲子を演じた蒼井は「『東京家族』の撮影の合間に、冗談で『崩壊家族』とか『脱線家族』とか名前を付けて、皆で別の物語を妄想していたのが、この作品のスタートだったと思います」と明かし、監督も「蒼井さんの知り合いに『誕生祝に離婚届けに判子を頂戴』と言った人がいると言う話を聞いて、大笑いしちゃったんだよね。だから原案は蒼井優にしないといけない」とコメント。
これを受けて橋爪が「さっき蒼井が『これから私のことを先生って呼んで』って言ってて、開いた口がふさがらない。これからはそう呼びます!」と蒼井を茶化すと、「友人の話を伝えただけなので・・・」と恐縮。そんな2人を見て監督は「でもその話に興味を持って覚えていたわけだから、先生です!」と援護すると、「じゃあ、先生で・・・」と蒼井も開き直っていた。
また、吉行は「この前『母と暮せば』を観に行った時に、この映画の予告が流れて、『お父さんと居るのが私のストレス』と言うシーンで、前に座っていた女性たちが笑っていたので、共感する人が多いだろうなと思いました(笑)」と明かし、山田監督は「どういうアングルで見るかによって、シリアスな家族が滑稽に見えたりする。バカなことばっかりやってるなと、観客も自分のことのように苦笑したり、涙ぐんだりするんだと思います」と語った。
次男でピアノ調律師の庄太を演じた妻夫木は「本読みがあった日の夜10時頃、監督から電話が来て、和田アキコさん以来のビックリする電話だったんですが(笑)、役柄を変えようと思うと言われて。まさかピアノを弾くまでとは思わなかったんですが、撮影が始まってから『ここでショパンが弾けると面白いね』と。これが冗談ではなくて、1ヶ月半くらい猛練習しました」と明かし、「とっても上手なんですよ」と監督から褒め称えられると、「そんな僕を笑ってやってください」と苦笑した。
公開情報 | 松竹配給「家族はつらいよ」は2016年3月12日(土)全国公開 公式サイト:http://kazoku-tsuraiyo.jp/ |
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