ニュース

「恋人たち」が作品賞・監督賞・脚本賞・新人男優賞受賞!「第89回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式(2016.02.15)

「第89回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が2月13日(土)に行われ、「恋人たち」が日本映画ベスト・テン第1位に選出されただけでなく、日本映画監督賞と日本映画脚本賞も受賞した橋口亮輔監督は「映画人だったら一生に一回は取りたいと願ってやまない賞なので、受賞することができて嬉しく思います。ひとりでも世に出ていく俳優を排出するというのが僕の役割だと思っていましたので、篠原が新人男優賞を取ったことは本当に嬉しく思います」と、自分のことよりも篠原篤が新人賞受賞に対して喜びを表した。

外国映画ベスト・テン第1位と外国映画監督賞を受賞した「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のジョージ・ミラー監督からは「私の作品をいつも応援してくれている日本のファンの皆様に感謝の気持ちで一杯です。この作品を一丸となり一緒に完成させてくれた素晴らしい俳優、才能あるクリエーターやスタッフ全員と受賞の喜びを分かち合いたいと思います」とのコメントが寄せられた。

「沖縄 うりずんの雨」で文化映画作品賞を受賞したジャン・ユンカーマン監督は「戦後70周年に発表し、戦争のことを見つめ直す機会となったことは大変嬉しく思っております。沖縄にとっては、一日でも早くアメリカの基地を撤退する道を歩んで欲しいと思います」と沖縄への想いを語った。

主演男優賞を獲得した二宮和也は「この作品に出る役割として、僕を日頃応援して下さっている若い方々に、戦争というものを改めて学んでいただくきっかけとなればいいなという責務がありました。それがちょっとでも叶ったのではないかなと思います。この賞に恥じることのないように、さらに精進していければと思います」と語った。

主演女優賞を受賞した深津絵里は「歴史ある賞をいただき大変光栄に思っております。素晴らしい賞に値するお芝居ができていたのかわかりませんが、この2つの作品に出会えなければ、この賞を手にすることはなかったと思っています。作品に出会わせて下さったプロデューサーの方、力強く見守って下さった監督、スタッフの皆さん、戦いに挑んだ共演者の皆さんに心から感謝したいと思います」と語り、「岸辺の旅」で共演した浅野忠信についても「特に浅野さんでなければあのような空気感、繊細な表現には繋がらなかったと思います」と感謝を述べた。

「母と暮せば」「幕が上がる」「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」により助演女優賞を受賞した黒木華は舞台公演中のため欠席。「映画好きの方々が選出されている賞ということで、その映画賞をいただけることができ、少しだけ自信を持つことができました。受賞対象作品の全てが学校の先生という役柄でした。それぞれ違った時代、性格をやらせていただき、楽しく面白い経験をさせていただきました。やりがいのあるチャンスと沢山の出会いに恵まれたことに心から感謝致します」とメッセージを寄せた。

また、『日本のいちばん長い日』『天空の蜂』により助演男優賞を受賞した本木雅弘は、先日撮影を終えたばかりだという最新作で深津が妻を、黒木が愛人を演じていることを明かし、「鉢合わせになる予定だったので落ち着かなかったのですが、危険回避できました」と会場を笑いで包み、「光石研さんのような達者で味わいのある方と競えたということは大変誇りに思います。また、過去には勝新太郎さん、市川雷蔵さんの名前が並んでいました。大変恐れ多いと共に非常にありがたいと思う気持ちが増してきました」と心境を語った。

「海街diary」で新人女優賞を受賞した広瀬すずは「日々、『海街diary』という作品への想いが強くなっていって、監督やお姉ちゃんたちに出会えたことが自分の人生にとって大きかったなと思っています。これからももっといろいろな映画に呼ばれるように、そしてお姉ちゃんたちの背中を見て、こういった舞台に戻って来られるように頑張りたいと思います」とコメント。

「恋人たち」で新人男優賞を受賞した篠原篤は「先日33歳になりまして、20代にお芝居を始めた頃を思い出しました。諦めずに続けてきて良かったなと思っております。僕以上に信じて下さった橋口監督は沢山の力を下さり、支えて下さいました。本当にありがとうございました」と喜びを語った。

【第89回キネマ旬報ベスト・テン受賞者】
▽日本映画ベスト・テン第1位=「恋人たち」
▽外国映画ベスト・テン第1位/外国映画監督賞=ジョージ・ミラー(「マッドマックス 怒りのデス・ロード」)
▽文化映画ベスト・テン第1位=「沖縄 うりずんの雨」(ジャン・ユンカーマン監督)
▽日本映画監督賞/日本映画脚本賞=橋口亮輔(「恋人たち」)
▽主演女優賞=深津絵里(「岸辺の旅」「寄生獣 完結編」)
▽主演男優賞=二宮和也(「母と暮せば」)
▽助演女優賞=黒木華(「母と暮せば」「幕が上がる」「ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判」)
▽助演男優賞=本木雅弘(「日本のいちばん長い日」「天空の蜂」)
▽新人女優賞=広瀬すず(「海街diary」)
▽新人男優賞=篠原篤(「恋人たち」)
▽読者選出日本映画監督賞=是枝裕和(「海街diary」)
▽読者選出外国映画監督賞=デイミアン・チャゼル(「セッション」)
▽キネマ旬報読者賞=川本三郎氏(キネマ旬報「映画を見ればわかること」の連載)

公開情報 公式サイト:http://www.kinenote.com/main/kinejun_best10/

バックナンバー

ページのトップへ