ベルギー・日本友好150周年記念映画に認定!「神様メール」ジャコ・ヴァン・ドルマル監督来日会見(2016.04.12)
本年度のゴールデングローブ賞で外国語映画賞にノミネートされ、ベルギーアカデミー賞(マグリット賞)では作品賞、監督賞をはじめ主要4部門に輝いた痛快ミラクル・コメディ「神様メール」のジャコ・ヴァン・ドルマル監督が来日し、4月12日(火)にベルギー王国大使館で記者会見を行った。本作はブリュッセルを舞台にした物語であり、ベルギー・日本友好150周年記念映画に認定されたことから、ギュンテル・スレーワーゲン閣下(駐日ベルギー王国大使)も来場して認定式が行われた。
ある日、余命を知らせるメールが神様のパソコンから全人類に届いてしまい、大パニックとなった世界で、神様の娘である10歳のエアは、人々の悩みを解決すべく、ヘンテコな奇跡を起こす旅に出る。ドルマル監督にとって6年ぶり、4本目となる本作は、フランス、ベルギー、スイスで公開初週に1位のヒットスタートを切り、最高傑作との呼び声もあがっている。
トマ・グンズィグと共同執筆した脚本について監督は「神様が存在するとしたらどんな街だろう?と2人で話し合い、パリやベニス、東京といった美しい街ではなく、雨がいつも降っているブリュッセルなんじゃないかと思った。それと神様には奥さんと娘がいるという設定にした。神様の息子の話はよくあるが、娘が出てくる話はなかったし、聖書でも女性の言葉というのはとても少なく、女性が奇跡を起こす物語にすれば面白くなると思った」と明かした。
また、「エアは神様である父親が大嫌いで、仕返しのために死の通知メールを送ってしまうが、それを見た人々は自分の人生の短さを認識し、何をするべきか考える。それが一番に描きたかったことなんだ」と語り、各国でヒットした理由については「お客さんが入っているレストランと、入っていないレストランがあったら、入っているレストランに人が集まるようなもの。沢山の人に観てもらえるのは嬉しいが、理由はよくわからない。分かりやすいコメディというのが良かったんじゃないかな。観客の反応も最初は男女共に大笑いしてるんだけど、だんだん女性だけの笑いになっていくのが興味深かった」とコメントした。
監督も在住するブリュッセルは3月に爆発テロが起こったばかりということで、「人が愛を必要とするのはわかるが、世の終焉を作りあげようとするのは理解できない。今も深い悲しみを感じている」と神妙な面持ちで語り、「この映画は偶然にも今の時代を映し出していて、あらゆることに“怖がらないで”とメッセージを送っている。宗教や家族などに支配されると従わざるを得なくなるが、エアのように人々に“思ったことをどんどんやって”と言いたい。今までどおり地下鉄に乗り、映画を観に行き、人生を続けて欲しい」と語った。
ここでスレーワーゲン閣下も登壇し、「心から皆さんにお勧めしたい映画。監督は編集も音楽も手掛ける真のアーチストであり、物語のテーマもオリジナリティに溢れていて、観終わって幸せな気分になれる作品なので、是非、観てください」とアピール。認定式では、現在放送中のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で主人公の子供時代を演じた内田未来ちゃんがお祝いに駆けつけ、監督に花束を贈呈した。
一足早く本作を鑑賞した未来ちゃんは「すごく面白くて、何回も笑ってしまいました。エアも出会った人たちもみんな素敵で、ラストはビックリしてしまいました。私はエアみたいにいろんなことは起こせないけど、私のお芝居を観た人が少し楽しい気持ちになったり、もっと頑張ろうという気持ちになってくれたらいいなと思います」と10歳にしてしっかりとしたコメント。そんな未来ちゃんに監督は「次回作に出てもらうとしたら女神をやってもらおうかな」と笑顔で語りかけ、未来ちゃんも「嬉しいです」とはにかんだ。
公開情報 | アスミック・エース配給「神様メール」は2016年5月27日(金)からTOHOシネマズシャンテ他公開 公式サイト:http://kamisama.asmik-ace.co.jp/ |
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