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黒木瞳が初監督に挑戦!「嫌な女」日本外国特派員協会記者会見(2016.05.24)

女優の黒木瞳が、初映画監督に挑戦した「嫌な女」の記者会見が日本外国特派員協会で5月23日(月)に行われた。試写会後の会見ということで、外国人記者たちから拍手で迎えられた黒木監督は、桂望実による原作に惚れ込み、自ら出版社に手紙を送って4年前に映画化権を獲得したということで、「最初は演じるつもりでしたが、脚本家と本作りをしていくうちに、この世界観を一番わかっているのは私だ!と徐々に監督をしてみようかなという気持ちになっていきました」と経緯を明かした。

人と打ち解けられず孤独と折り合いを付けて生きてきた堅物弁護士の徹子が、同い年で派手な従妹の夏子と久々に再会し、天性の詐欺師である夏子に振り回されていく物語。映画初主演となる吉田羊が徹子を、W主演となる木村佳乃が夏子を演じ、境遇も立場も違う女性の人生のケミストリーを鮮やかに表現している。

女優ではなく監督としての参加については「後悔は全くありませんでした。やったことの無いことを、この年齢で出来ることにワクワクしました」と目を輝かせ、「女優としては、自分とは違う人として生きるわけですが、監督をして思ったのは“私”が全部出てしまう。全部が私だなと感じました」と明かした。

主演の2人の印象を聞かれると、「吉田さんはとても素直で柔軟性がある女優。ストレスがかかる役で、演出面でも負荷をかけましたが、そのストレスも素直な気持ちで乗り越えてくれて、私もハードルを上げていきました。木村さんはムードメイカーで、テンションの高い役でしたが、そのモチベーションが常にキープされていて、瞬発力と持ち味の明るさを出していただけたと思う」と絶賛した。

原作から感じとった想いを脚本家と共に作品に注ぎ込んだといい、「前向きになれる気持ちや、命の大切さ、人との絆をちゃんと描こうと思いました。観た方もそれを感じられるようにしようと話しあいました」と語り、作品にも映し出される太陽と向日葵については、「互いを見て頑張っている象徴で、女性への『頑張れ!』というメッセージになればと思いました」と明かした。

次回作は女優としてなのか監督としてなのか聞かれると、「もう女優として撮影はしています。でも現場で『監督!』という声に振り向いてしまった自分が怖かったです」と言って笑い、どちらが合っているかと更に尋ねられると「監督と答えてしまったら私の女優としての35年間は何だったのか?ということになってしまうので答えにくいです。でも監督としてクリエイティブなことをコツコツとやるのも好きなんだなということは発見しました」と監督業への意欲も見せた。

また、黒木の主演作である「仄暗い水の底から」が好きだという外国人記者から、ホラー映画も撮りたいと思うかと聞かれると、一瞬「うーん」と考えたものの、「女はホラーみたいなものなので、『嫌な女』もどこかしらホラーかもしれないですよ」とニヤっと笑って、会場を沸かせた。

公開情報 松竹配給「嫌な女」は2016年6月25日(土)から全国公開
公式サイト:http://iyanaonna.jp/

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