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日本×カンボジア×マレーシアのオムニバス映画完成!第29回東京国際映画祭「アジア三面鏡 2016:リフレクションズ」記者会見(2016.10.26)

10月25日に開幕した「第29回東京国際映画祭」初となる映画製作プロジェクトの第1弾となる「アジア三面鏡 2016:リフレクションズ」の記者会見が10月26日(水)に行われた。オムニバス映画として3作品で構成されており、「SHINIUMA Dead Horse」からブリランテ・メンドーサ監督、ルー・ヴェローソ、「鳩 Pigeon」から行定勲監督、津川雅彦、シャリファ・アマニ、「Beyond The Bridge」からソト・クォーリーカー監督、加藤雅也、チュムヴァン・ソダチヴィーが登壇した。

国際交流基金アジアセンターと東京国際映画祭が2014年、アジアに焦点をあてた映画交流の取り組みを、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けて開始。アジアにおける相互理解をさらに深め、アジアの才能を世界へ発信し、アジアにおける未来志向のネットワークを作る連携事業の一環として発足した「アジア三面鏡」の第1弾は、「アジアで共に生きる」というテーマのもと、様々な国のスタッフやキャストが集結し、日本、カンボジア、マレーシアの各国間を行き交う人々の生きる姿を映し出している。

これまでも海外との共同製作などを手掛けている行定監督は「このプロジェクトの着地点がどうなるか、最初は不安もありましたが、見応えのある作品が出来たと思っています。マレーシアは撮影スタイルが違い、まずは仲良くみんなで集合写真を撮って団結してから始めるといった感じでしたが、我々は空気が張り詰めた現場が多いので、両方の空気感が映像に出ていると思います」と語り、今年で77歳になる津川は「この歳になって、行定監督の指名を受けて、貴重な体験をさせていただき、嬉しく思っています。マレーシアの人々とも交流でき、役者としても個人的にも良い経験になりました」と明かした。

メンドーサ監督は初の海外での撮影だったということで、「北海道の雪の中での撮影はチャレンジでもあり、楽しかった。雪を含めた色んな演出を有効活用でき、スタッフとキャストが一丸となって撮影できました。皆さんにも気に入って、楽しんで観ていただけたら嬉しい」と語り、雪を見るのも初めてだったというルー・ヴェローソは「とてつもなく寒くて過酷な撮影ではありましたが、楽しかったです。ばんえい競馬の馬を世話する役でしたが、馬が象のように大きくて怖かった」とおどけて見せた。

日本文化に子どもの頃から興味があったというクォーリーカー監督は「日本の文化とカンボジアの文化を融合できるような映画が作れて嬉しいです。日本には美しい場所がいっぱいありましたが、カンボジアでしか撮影できず、桜だけはスタッフに撮影してもらって、その映像を使うことができました」と明かし、加藤は「カンボジアの歴史を知ってはいましたが、演じたキャラクターを通してクメール・ルージュのことなど理解を深めることができ、参加できて良かった。海外の人のほうが日本の文化を知っていることもあり、こういう交流を通して、改めて学ぶこともできました」と新たな発見もあった様子。

津川は役と本人とのギャップで葛藤もあったようで、「僕は根が明るい性格なんですが、孤独で寂しい老人の役ということで、尖った僕を出していこうと思ったら、とんだハプニングが起きまして、共演のアマニを泣かしちゃったんですよ。僕が見向きもしてくれないということで。役が終わってからは精一杯、明るく接しましたよ」と明かし、シャリファ・アマニは「メソッド演技というのは知っていましたが、津川さんほど徹底なさっている方は初めてで驚きました。日本の俳優さんは静かな力強さがあって、津川さんがセットに入ると、日本語のセリフも全部吹き飛んでしまいました(笑)」と現場でのエピソードを明かした。

一方、ダンサーとして活躍し、映画は初出演だったというチュムヴァン・ソダチヴィーは「悲しいシーンが多かったのですが、加藤さんはいつも私を笑わせて下さり、緊張をほぐして下さいました。日本の男性と恋に落ち、日本へ行こうと誘われながら、母親を置いてはいけないということで、離れ離れになってしまう役で、とにかく役になり切ろうと努力しました」と語り、クォーリーカー監督は「カンボジアで出会った男女が、戦争で引き裂かれてしまいますが、想いは失われず、永遠に続いていくということを描きたかった。3人の監督はそれぞれのストーリーを語り合っていなかったので、それぞれが自分の作品に責任を持って作り上げました」と語った。

開催情報 2016年10月25日(火)〜11月3日(木・祝)、六本木ヒルズ、EXシアター六本木他都内の各劇場及び施設・ホール
公式サイト:http://www.tiff-jp.net

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