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佐藤浩市の「もっと踏んで!」に市川猿之助がタジタジ!「花戦さ」完成披露会見(2017.05.29)

狂言師の野村萬斎が戦国時代末期に“刃=力”ではなく“花=心”で天下人・豊臣秀吉に立ち向かった花僧・池坊専好を演じる「花戦さ」の完成披露会見が5月29日(月)に行われ、野村をはじめ、市川猿之助、佐藤浩市、中井貴一、佐々木蔵之介、高橋克実、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作ら豪華出演者と篠原哲雄監督が登壇した。野村は「渾身を込めて、けったいな男が秀吉に戦いを挑む姿を面白おかしく、真剣に演じさせていただきました。これだけのキャストに囲まれ、演じることの楽しさをまた知ることが出来ました!」と挨拶した。

1594年に初代・池坊専好が前田利家邸で巨大な松をいけて秀吉から称賛されたとの記録があり、華道家元池坊では、その花で専好が秀吉を諫めたという伝説がある。本作は、その伝説を基に書かれた鬼塚忠の小説を、脚本家・森下佳子が改訂して物語を作り上げ、史上初のいけばなを扱った痛快時代劇エンタテインメントとして誕生した。

専好に立ちはだかる秀吉を演じた歌舞伎俳優の市川は「大先輩方の胸を借りて演じられ、役者としての幅を広げていただいたと思う。どこを切り取っても美しい映画で、観終わって、清々しい風が吹きました」と語り、専好の良きライバルである茶人・千利休を演じた佐藤は「チャンバラがなくても時代劇を観たという充足感たっぷりの映画。こういう映画が年に何本かは作られ、時代劇が未来永劫続くことを願います」と思いを馳せた。

また、撮影は2日間しかなかったという織田信長役の中井は「今の世の中で人が忘れかけていることが描かれていると思います。ミサイルが飛んだといったニュースが流れていますが、芸術や文化を通して平和になれるということが描かれています」と感慨深げに語り、前田利家役の佐々木は「華道、茶道を突き詰めた人々の姿を描いており、お花もお茶もこんなに身近にあるんだということを改めて感じました」とコメントした。

狂言と歌舞伎という日本の伝統芸能の垣根を越えて共演した野村と市川は「初共演でしたが、初日から大勝負のシーンで、どうしようかと思いました」(野村)、「狂言と歌舞伎は近くて遠い存在なので、映画という舞台で図らずも共演できて嬉しいです」(市川)と語り、野村は「浩市さん(千利休)を踏んづける憎々しい嫌な奴をこんなにチャーミングに見せるなんて素晴らしい」と称え、これに市川は「大先輩の頭を踏んづけるなんて本当に嫌で、心の中で『ごめんなさーい!!』と叫んでました」と冷汗をかいた様子。

そんな市川に頭を踏みつけられた佐藤は、型がある伝統芸能の世界で演じてきた二人が、戦いの場面で“エア演技”(実際には当てない)を得意とすることを前置きし、「僕は実際に圧がかからないと演じられないので、『もっと踏んで!もっと踏んで!』とお願いさせていただいた」と自らの“Mっ気”を暴露すると、長年の友人でもある中井が「佐藤さんが“M”だとは何となくわかってたよ」とニヤリとした。

また、映画での時代劇は初出演となる高橋は専好の幼馴染という役どころだが、見どころとして「私は羽二重(かつらの下に被る布)無しの自頭かつらでしたので、着脱も簡単で、目の辺りが引っ張られない分、表情も制限されませんでした。そこが見どころです!これは特殊能力なんです!」と何故か自身の頭の形態をアピールし会見がタイムアップ。微妙な雰囲気での終了に申し訳なさそうな高橋を後目に、共演者たちも笑いが堪えられない様子だった。

公開情報 東映「花戦さ」は6月3日(土)から全国公開
公式サイト:http://www.hanaikusa.jp/

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