二宮和也はオスカーじゃなく、ミシュランの星が欲しい?!「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜」完成報告会見(2017.09.25)
「おくりびと」で米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督が、主演に二宮和也を迎え、伝説のTV番組「料理の鉄人」を手掛けた田中経一による小説「麒麟の舌を持つ男」を映画化した「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜」の完成報告会見が9月25日(月)に行われ、二宮をはじめ、西島秀俊、綾野剛、宮崎あおい、西畑大吾、そして滝田監督が登壇した。二宮は「すごく時間の使い方や撮影方法が贅沢な映画で、次の日の撮影のことを考えて、自分なりに思ったことを提案できる現場は初めてでした。本当に空気の流れがいい現場で、その空気感を感じられる、心があったかくなる映画を体感していただきたい」と熱く語った。
2000年代初頭の日本と1930年代の満州国という二つの時代を舞台に、絶対味覚=“麒麟の舌”を持ちながらも料理への情熱を失ってしまった主人公・佐々木充が、関係者たちの証言を集めながら「消えたレシピ」の解明に挑む姿と、その幻のレシピ作成に人生を捧げたもう一人の麒麟の舌を持つ料理人・山形直太朗の運命を描いている。企画には、「着信あり」シリーズの企画・原作なども手掛ける音楽プロデューサーの秋元康、脚本は「永遠の0」で称賛を浴びた林民夫が担当し、絢爛豪華なメニューの映像化には、料理研究家の服部幸應が全面協力している。
会見後には完成披露試写会が控えていることもあり、滝田監督は「やっと今日の日を迎えることができて、ドキドキ、ワクワクしています。とても魅力的な原作を、日本で最高のスタッフと、個性溢れる華やかなキャストで映画化することができました。現代編では、二宮君がしっかり準備して、いろんなアイデアを出してくれて、綾野君とも話し合いながら作り上げることができました!」と自信をのぞかせた。
二宮は絶対味覚を持つ料理人という役柄だが、料理は普段しないそうで、「包丁を持つ手を右利きに直して挑んだんですが、セリフを覚えるのと同じで、やらなければいけない作業と思って、とにかく現場での空気感を大事にするようにしました」と語り、元・天皇の料理番であり、「大日本帝国食菜全席」作成のため満州に渡る山形を演じた西島は「炒飯を作る設定だったので、すごく練習したんですが、結局、そのシーンはありませんでした(笑)。満州編は仲間とぶつかり合いながら全力でレシピ作成に向かっていく青春群像劇になっています」とコメント。
現代編で充の才能を最初に発見した幼馴染でもある柳沢を演じた綾野は、実生活でも二宮と旧知の仲ということもあり、「今まで2人が積んできた時間を役に投下できたと思うし、監督も僕たちの佇まいを寛容に受け入れて下さって、まるで芝居をしていないような感覚でした。監督から『今、セリフ言ってた?』と聞かれた時もあるくらい、自然にいられた現場でした」と明かした。撮影で心掛けたことについて滝田監督は「料理ものの映画なので、とにかく美味しい画と音を心掛けましたが、料理を作っている人たちの志、魂みたいなものを映し出したいと思いました」と語った。
また、滝田監督は米アカデミー賞受賞監督ということもあり、海外を意識して製作したかを聞かれると、「自分が面白いと思うものをとにかく作るだけ。アカデミー賞はご褒美でいただいたような感じで、若い映画人が世界に行く道作りになればいいと思っている」と語り、二宮も「いろんな人たちの目に触れるというのは、ありがたいことですよね。でも、アカデミー賞よりも、この映画ではミシュランの星が取りたいですね」と言って笑った。
麒麟の舌のような特別な能力や才能があるとしたら、どんな能力を手に入れたいか聞かれると、二宮は最初「透明人間」と言い出したものの、「やっぱり空を飛びたいかな。仕事上、歌ったり、踊ったりするので、人の力を借りずに自分で飛べたらカッコいいかなと思って」と明かし、西島は「未来を予測できる能力」、綾野は「世界中の人々と話したいので、全世界の語学を身につけたい」と語り、宮崎も「綾野さんの意見に乗っかりたいですが、踊れるようになりたい。踊るって特殊な能力だと思うので」と明かした。
そして西畑は「ムキムキになりたい。スーパーマンみたいに世界を救いたい。瞬間移動の能力も欲しい」と色々あるようで、「今日も大阪から2時間かけて来る間、そわそわずっとしていたので、瞬間移動できたら、ソワソワせずに済むので」と笑顔を見せた。最後に、二宮は、幻のレシピの話を聞いて周る役柄から、この場で聞いてみたいこととして、「もしこのメンツが揃うとしたら、次はどんな映画を撮りたいですか?」と監督に質問。すると監督は「皆さんが出てくれると約束してくれなくちゃな」と応え、一同、スケジュールを合わせるということで話しがまとまり、二宮は「今度は現代と過去のパートに別れず、みんな揃った群像劇みたいなのをやりたいですね!」と次回作へ意気込みを見せた。
公開情報 | 東宝配給「ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜」は2017年11月3日(金・祝)から全国東宝系で公開 公式サイト:http://www.last-recipe.jp/ |
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