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レオとブラッドの共演は世紀のクーデター!「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」来日記者会見(2019.08.26)

クエンティン・タランティーノ監督が執筆に5年の歳月を費やし、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットを初共演させた最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の来日記者会見が8月26日(月)に行われ、タランティーノ監督、ディカプリオ、シャノン・マッキントッシュ プロデューサーが登壇した。シンガーソングライターの妻・ダニエラ・ピックとの間に第1子が生まれる監督は司会者から祝福されると「僕が妊娠中なわけではないけどね(笑)。アリガトウ。家中に小さな“タラちゃん”が沢山いる日も近いね」と笑顔で感謝した。

人気のピークを過ぎたTV俳優リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)は、映画スター転身を目指して焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブース(ブラッド・ピット)はスタントマンかつ親友でもあり、リックとは対照的にいつも自分らしさを失わなかった。そんなある日、ロマン・ポランスキー監督と女優のシャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻がリックの隣家に越して来る。そして1969年8月9日、それぞれの人生を巻き込み、映画史を塗り替える“事件”が起こるのだった。

物語の着想について監督は「1969年は、ハリウッドやカウンターカルチャーの転換期であり、シャロン・テートの事件に至るまでの時間軸に物語を設定すれば、ハリウッドの歴史的なことも掘り下げられると思った。E・L・ドクトロウの『ラグタイム』を14歳ぐらいの時に読んで、実際の有名人とフィクションのキャラクターを登場させていて、とても面白いと思ったんだ。だから今回の映画でも、ハリウッドの一時期を描くために、その時代を生きた人とフィクションとを組み合わせようと思った」と明かした。

ディカプリオは本人には似つかわしくない“落ち目”の役者を演じたわけだが、「ほんの数日間の物語だけど、リック個人としても変わっていくし、俳優としては時代について行こうと必死で、そんな彼の魂をどう作り上げようかと監督と話し合った。ブラッド・ピット演じるクリフとは表裏一体のようだが、その関係も変わっていく。監督からは2人のこれまでのバックストーリーを聞かせてもらっていたし、1人の女の子がリックの秘めた力を押し出してくれる部分も面白くて、絶対にこの映画に出たいと思ったよ」とコメント。監督も「レオとブラッドの2人をキャスティング出来たのは、世紀のクーデターだよ!」と満足気。

さらに監督は「あの時代、リックのような役者は沢山いて、50年代のTVの登場で新しいスターがどんどん誕生して、過渡期にどうなるか見えていなかった。スティーヴ・マックイーンやクリント・イーストウッド、ジェームズ・ガーナーなんかは映画へと活躍の場を広げられたけど、映画界に行けてもヒットしなかったり、良い役が貰えなかったりなんていう役者はいっぱいいて、そういう人たちの姿を描きたかった」と語り、ディカプリオも「ハリウッドに貢献したのに忘れ去られている人たちを、リックを通して演じられて、とても良い経験になった」と感慨深げ。

マッキントッシュ プロデューサーは「クエンティンの作品は魔法のようで、『レザボア・ドッグス』の時から一緒に働いているようなクルーも楽しみに戻ってくる素晴らしい現場。スタッフたちは監督の新しい作品がいつ書きあがるのかいつも気にかけている状態よ。撮影現場では、ワンシーン撮り終えて監督が『OK!』と言うのだけど、『でも、もう1回撮るよ!』となって、その度にスタッフがみんなで『我々は映画作りが好きなんだ!』と口を揃えるの」とチームワークの良さを明かした。

また、ディカプリオは「僕はハリウッドで生まれ育って、この業界のことを知っているし、俳優の大変さもわかっている。ハリウッドには家族や友人もいて、自分にとっては幸せな場所なんだ。夢の工場でありながら、悪評もつきまとう、魔法のような世界なんだと思う」と持論を展開。そして映画オタクだからこそ、この作品が作れたと言っても過言ではない監督は「69年と言えば、蔵原惟繕監督の『栄光への5000キロ』って作品があったんだけど、知っているかな?」と突然質問。「あと2日くらい日本にいるから、もし英語字幕付きのDVDを持っていたら、連絡くれないかな?」と「南極物語」などで知られる蔵原監督の作品をちゃっかりおねだりしていた。

公開情報 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント配給「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は2019年8月30日(金)全国公開
公式サイト:http://www.onceinhollywood.jp/

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