竜役には佐藤健!「美女と野獣」をモチーフにした「竜とそばかすの姫」完成報告会見(2021.07.07)
細田守監督が、かつて「サマーウォーズ」で描いたインターネット世界を舞台に、「時をかける少女」以来となる10代の女子高校生をヒロインに迎えた勇気と希望の物語「竜とそばかすの姫」の完成報告会見が7月6日(火)に行われ、細田監督をはじめ、声優を務める中村佳穂、成田凌、染谷将太、玉城ティナ、そしてこの日までベールに包まれてきた謎の存在の“竜”を演じる佐藤健が登壇した。細田監督は「頼もしく誇らしいキャスト陣で、この作品を輝かせてくれたのは皆さん」と感謝した。
母親の死により心に大きな傷を抱えた主人公すずが、“もうひとつの現実”と呼ばれる50億人が集うインターネット上の仮想世界〈U(ユー)〉で大切な存在を見つけ、悩み葛藤しながらも懸命に未来へ歩いていこうとする姿を描き出す。また、本作は7月6日開幕の「第74回カンヌ国際映画祭」で、注目すべき新作を集めた新設部門「カンヌ・プルミエール」に選出され、現地時間7月15日にワールドプレミア上映も決定。なお、メインテーマは“King Gnu”の常田大希が率いるクリエイター集団“millennium parade”が担当している。
仮想世界をテーマにしたことについて細田監督は「約20年前に『デジモンアドベンチャー』、2009年に『サマーウォーズ』を手掛け、インターネットを肯定し続けてきた監督は世界でも僕だけなんじゃないかと思っていて、生身の気持ちとインターネットが結びつく世界になってきている中で、インターネットを介して自分自身も大好きな『美女と野獣』を表現したら、どんな恋物語になるだろうと思いました」とコメント。この日、披露された特別映像でも、まさに『美女と野獣』といったシーンが登場した。
人前で歌を歌えなくなってしまった主人公すずと、仮想世界〈U〉に出現する歌姫ベルの二役を演じる中村は、オーディションで唯一無二の歌声と表現力を披露し、大抜擢された注目のミュージシャン。「昨日、完成作を拝見して、圧倒的!という感じでした。まさか声優のオファーが来るとは思わず、ビックリしてずっと家で笑っていました。自分なりに役に向き合って、歌も今までと違った一面を見せられるよう、皆さんが試行錯誤して下さり、毎日感銘を受けていました」と明かした。
この日、キャストとして初解禁された佐藤は「監督の真骨頂という感じで、得意とされる世界観の表現方法がすごく新しくて、美しいし、中村さんの素敵な歌も重なって、胸が震えました」と明かし、細田監督作品には3度目の登板となる染谷も「傑作を観ちゃったという感じで、アクションもラブロマンスもあるし歌も映像も素晴らしい。さっき観たばかりで、号泣して顔がパンパンになって、メイクさんを困らせてしまいました」と笑った。
また、竜の役柄について佐藤は「〈U〉という仮想世界の悪役として怖がられている存在で、ベルと出会うことでちょっとずつ変化していきます。現実世界では何者なのか?にも注目していただけたら」と語り、細田監督はキャスティング前の段階からスタッフに「竜の役は健くんにお願いしてはどうか?」と話していたそうで、「その思いに応えたいと思いながらも、本当に難しい役で、普段とは違うアフレコにどうしたらいいのかと思ったし、竜の声がどんなか想像もつかなかった」と苦労した様子。
最後に細田監督は「今回はスケールが大きいし、いろんな人を巻き込んで作っているので、ひょっとしたらまとまらないんじゃないか?とも思いました。でも昨日、初号を観て、それらが一体となった映像を僕も初めてスタッフと共有して、この地点まで来られて凄いな!と、スタッフ、キャストに感謝しました。皆さんに楽しんでいただけるエンターテイメントであり、ラブロマンス、アクション、サスペンスと様々な要素が詰まっているので、どんな世代の方でも楽しんでいただける映画になっています」と自負した。
公開情報 | 東宝配給「竜とそばかすの姫」は2021年7月16日(金)全国公開 公式サイト:https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/ |
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