寺田心が変声期前の自分の声にポカーン「屋根裏のラジャー」製作報告会見(2023.08.21)
長編第1作「メアリと魔女の花」に続くスタジオポノックの長編アニメーション最新作「屋根裏のラジャー」の製作報告会見が8月21日(月)に行われ、百瀬義行監督、西村義明プロデューサー、声優を務めた寺田心、安藤サクラ、イッセー尾形が登壇した。西村プロデューサーは「10年前に『かぐや姫の物語』で会見に立たせていただきましたが、その高畑勲監督の右腕だった百瀬さんと映画を作り、ご報告できるのは感慨深いです」と挨拶し、百瀬監督も「先週0号試写を行い、メインスタッフたちの反応からも手応えを感じ、それが凄く心強かったです」と胸を撫でおろしていた。
本作は、スタジオジブリで高畑勲監督による「火垂るの墓」から「かぐや姫の物語」までの全作品で重要な役割を担った演出家の百瀬監督と、「かぐや姫の物語」「思い出のマーニー」で米アカデミー賞長編アニメーション映画賞にノミネートされた西村プロデューサーがタッグを組み、イギリスの詩人で作家のA.F. ハロルドによる「The Imaginary」(「ぼくが消えないうちに」こだまともこ訳・ポプラ社刊)を基に映画化。想像から生まれたイマジナリーフレンドたちによる人間には決して見えない大冒険を描き出している。
西村プロデューサーは「人間の想像から生まれる主人公ラジャーの人生を、分断と無縁の時代に生きる僕たち人間の物語として描こうと思いました。世界の人に観てもらう価値ある作品になったと感じています」と語り、西村氏の4歳だった娘さんからヒントをもらったことも明かし、「私が歩くと1分くらいの神社までの道を、娘は10分くらいかけて手に山盛りの花びらを集めて歩いてきたことがあって、僕にはアスファルトの道でしかないのに、娘には花畑なんだなと。僕たちが見ているもの、見えているものは違うという観点から、この物語に挑戦していきました」とコメント。
さらなる挑戦として、新たなデジタル技術を用いたフランスのクリエイターたちとコラボレーションしており、手描きでは実現できなかった実質表現と、光と影による映像表現を実現させたということで、「手描きアニメの2.0になると思いました。ただ、この身の丈に合わない挑戦が1年の公開延期に繋がり、映画が完成する前に倒産するかもしれないという本当に大変な映画製作を経験しました」と苦労も多かった様子。しかし百瀬監督は「より洗練され、もっと深堀できると感じました。皮膚感というか、肌の下の血管や肉感も表現できるんじゃないかと、そしてそれが実現できました」と満足気に明かした。
少女アマンダの想像から生まれた誰にも見えない少年・ラジャー役として、アニメ映画に初挑戦した寺田は「1枚の絵とセリフを見て、僕が絶対に演じたいと思いました。初めて予告編を観ましたが、声が違う。中2の夏にアフレコをして、声変わり前をギリギリ保っていたので、自分の声を聞いてポカーンとしてしまいました」と語り、西村プロデューサーは「オーディションの時も最初からラジャーとして来てくれて、凄く上手かった。製作に時間がかかってしまったので、声変わりは大丈夫か?というのがあったので、一部はプレスコを導入して、心さんの演技に合わせて作りました」と語った。
アマンダの母・リジー役を担当した安藤は「今回をきっかけに原作を知って、娘にも読み聞かせてあげたんですが、ゲラゲラ笑って喜んでくれたので、早く映画も見せたいと思います」と明かし、ラジャーをつけ狙う謎の男ミスター・バンティング役を演じた尾形は「台本を読んだ時はよくわからなかったんですが、バンティングの顔を見て、私そのものだなと思いました」と役に入り込めた様子。また、ラジャーを取り巻く個性的なキャラクターたちを、鈴木梨央、仲里依紗、山田孝之、高畑淳子が演じていることも明らかとなった。
公開情報 | 東宝配給「屋根裏のラジャー」は2023年12月15日(金)全国公開 公式サイト:https://www.ponoc.jp/Rudger/ |
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