恐ろしい福士蒼汰に絶望していた松本まりか!?「湖の女たち」完成報告会(2024.04.16)
吉田修一による“現代の黙示録”とも言うべき同名小説を、大森立嗣の監督・脚本で映画化した「湖の女たち」の完成報告会が4月16日(火)に行われ、大森監督、W主演を務めた福士蒼汰、松本まりかが登壇した。監督は映画化の経緯について「原作の書評をお願いされ、頭の片隅では映画化したい思いがあったんですが、難しそうだなと。吉田さんから書評のお礼の手紙をいただき、『大森監督が映画を作ってくれたらな』とあり、ちゃんと映画化に向けて考え出しました。戦後から続く負の部分を描いていますが、湖を見る2人の描写が素晴らしく、映画として出来るかなと思いました」と明かした。
「第35回モスクワ国際映画祭」で審査員特別賞を受賞した「さよなら渓谷」以来10年ぶりの吉田修一原作&大森立嗣監督のタッグによる本作は、介護施設での殺害事件を発端に、刑事とその取り調べ相手という形で巡りあった圭介と佳代が、支配する者と支配される者の危うい関係を深めていき、想像もつかない方向へとうねり出すヒューマン・ミステリー。薬害事件のトラウマを引きずる圭介の先輩刑事・伊佐美に浅野忠信が扮し、福地桃子、財前直見、土屋希乃、穂志もえか、三田佳子が幾多の謎や罪に触れる“湖の女たち”を演じている。
これまでにない身も心もさらけ出す難役に挑んだ福士は「大森監督と吉田修一さんの座組ということで、やってみたい!と思いました。脚本も圭介も難解でしたが、監督からダメ出しされ、気付いていく内に、勝手に圭介が自分に近づいてきてくれました」とコメント。松本も「頭で理解しようとすることが難しい作品でした。佳代が介護施設で父の世話をし続ける状況や、ある種の孤独というか、静かな生活に身を置き、極限状態に陥った体感は、役と共有できるかなと思いました。監督も感覚的な部分でわかって欲しいと言っているように感じました」と明かした。
また、松本は「支配する側とされる側ですが、どっちがどっちと言えない関係性も面白く、これを愛と呼ぶのか、何と呼ぶのかもわからない、こんなに言語化しようのない愛の形もあるんだと思いました」と語り、福士は撮影を振り返り「3日目辺りまで全ての芝居に監督からNGを出されて、着替えるだけのシーンも『声はいらないから』と・・・。そんなつもりはなかったんですが、仮面ライダー出身なので(笑)。4日目ぐらいから何の演出も無くなって、ヒリヒリするけど、これがヒューマンドラマを撮る上での心構えかと、ターニングポイントになりました」と勉強になった様子。
そんな福士について松本は「爽やかな好青年のイメージだったので、こういう役が想像つかなかったんですが、初日からビックリするくらい恐ろしくて、変な色気もあって、素晴らしかった。それ以外の彼を知りたくない、笑顔とか優しさを見たくない!と思って、凄く距離を取っていました」と明かし、福士も「本来はにこやかな人間なんですけどね」と返し、松本から「正直、嫌いでした」とまで言われ、「両面があると思って下さい」と苦笑い。
さらに、松本は「私がいないシーンでは笑顔だったと聞きました」と語りかけると、監督が「ごはんも一緒に行ったりしてたよね。浅野先輩が声掛けてね」と明かし、「本当ですか!?私は1回も行ってない!一人で6畳くらいの旅館の部屋で、ずっと絶望していたのに!そんな余裕があったんですか?」と怒り出し、「仕方ないよ」と監督がフォロー。そして「福士君がまりかを船からぶん投げるシーンがあるんですが、あれが最後で良かった。最初だったら、撮影がもっと大変になっていたかも」と安堵していた。
公開情報 | 東京テアトル/ヨアケ配給「湖の女たち」は2024年5月17日(金)全国公開 公式サイト:https://thewomeninthelakes.jp/ |
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