三谷幸喜監督に翻弄されまくる豪華キャスト陣!「スオミの話をしよう」完成報告会(2024.08.29)
脚本・監督:三谷幸喜、主演:長澤まさみによるミステリー・コメディ「スオミの話をしよう」の完成報告会が8月29日(木)に行われ、三谷監督、長澤をはじめ、西島秀俊、松坂桃李、瀬戸康史、遠藤憲一、小林隆、坂東彌十郎、戸塚純貴、宮澤エマが、物語の主要舞台となる“寒川邸”を模した会場に登壇した。失踪した主人公・スオミを演じた長澤は「5人も夫がいるなんてどんなだろう?と想像がつかなかったんですが、スオミという役を通して色々なキャラクターが演じられましたし、皆さんと和気藹々楽しく演じることができました」と笑顔を見せた。
大富豪の妻・スオミが行方不明となったことを知り、豪邸にスオミを愛した一癖も二癖もある5人の男たちが集結する。(1)血の気の多い庭師・魚山、(2)怪しげなYouTuber・十勝、(3)情に厚い警察官・宇賀神、(4)神経質な警察官・草野、(5)身勝手な芸術家で大富豪の現夫・寒川。しかし、彼らが語るスオミは、見た目も性格もまるで別人だった。さらに、草野の有能な部下・小磯杜夫、スオミの近くにいる神出鬼没な女・薊、富豪の世話役・乙骨直虎も加わり、スオミの謎に迫る。
4番目の夫・草野を演じた西島は「とにかく神経質で細かい男だからこそ、事件解決の糸口が見つけられるような変わった役を楽しく演じさせてもらいました。最近は世代によって観る作品が分かれているように感じますが、この映画はお子さんから年配の方まで楽しんでいただけるので、家族揃って劇場に足を運んでいただけたら」と挨拶し、2番目の夫・十勝を演じた松坂は「三谷さんから自信をスーツのように身に纏っていて、マウントを取りながら会話に入っていく役だと言われ、演じたことのないような役をいただけて嬉しかったです。良い時間を過ごせた、その空気感が映像にも出ていると思います」と自信を覗かせた。
監督作品としては「記憶にございません!」以来5年ぶり、9作目となる三谷監督は「去年の今頃、撮影していたんですが、その前に稽古を1ヶ月かけて行い、芝居を作っていきました。舞台のような映画であり、セリフ劇にしようと、ワンシーンワンカットの長回しをして、ラストには歌って踊るカーテンコールを持ってきて、日本を代表する力のある俳優たちに集まってもらいました。結果的には最も映画らしい映画になっていたし、やっと自分は映画監督なんだと自信を持って言える作品になりました」と真面目に話ながらも、横に置かれていたオウムガイの置物から柿の種をポリポリ食べるなど、会場の笑いを誘った。
また、長澤の起用については「『鎌倉殿の13人』でナレーションをお願いし、映画はまだやっていなかったなと。舞台には10年前に出ていただいたんですが、その時から力のある女優さんで、どんどんスキルも上げていて、この人のために、この人が輝ける映画を作りたいと思いました」と明かし、長澤は「本当に難しい多面的な女性で、人によって印象が違うキャラクターをどう作ったら良いのか、毎日、監督からヒントを貰いました。それに独特な魅力をもつ共演者の方々と向き合うだけで、違う自分が出てきて、これこそがスオミの本質なのかもしれないと思いました」とコメント。
3番目の夫・宇賀神を演じた小林は、三谷作品の常連だが、現場ではムードメイカーだったようで、「西島さんとは警察の先輩、後輩の役柄だったんですが、目を見て話すことが多かったんです。監督からは『若くあれ』と言われたので、アイプチをして、付けまつ毛も少しずつ増やしていったら、西島さんの笑いが止まらなくなってしまって」と普段から笑い上戸だった西島を困らせた様子。三谷監督は「あんまり笑うから、こうなったら強引に笑わせようかと思って。作品に対しては何のメリットも無かったけど」とムチャぶりを披露。
また、三谷監督は瀬戸と宮澤については「このお二人は舞台でご一緒しているから、何も言わなくて良かった」とし、宮澤は「雑じゃないですか?ダンスシーンは振付もないし。かと思えば急にファイアーダンス!とか言われて」と明かし、瀬戸も「どうしたらいい?って感じで、何をやったかも覚えていないです」と翻弄された模様。さらに松坂と西島は、人生初となるミュージカルシーンがあることすら聞かされていなかったようで、三谷監督は「多幸感が溢れて、この人たちと踊ってみたいと思い、急遽ミュージカルシーンを作りました。彌十郎さんについては、失敗が可愛かったので使わせてもらいました」と最後まで出演陣を三谷ワールドに巻き込んでいた。
公開情報 | 東宝配給「スオミの話をしよう」は2024年9月13日(金)から全国公開 公式サイト:https://suomi-movie.jp/ |
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